宇宙人へのメッセージは何語で書けばいい?
無事に解読されたとしても返事は数万年後

そもそも、地球外生命は存在するのか?
知的生命体とコンタクトをとる方法
地球外知的生命体探査の先駆者であるフランク・ドレイクは、自ら知的生命体とのコンタクトを試みています。
しかし、宇宙空間は生命体がUFO(未確認飛行物体)に乗って旅してこられるほどせまくはありません。最高速の宇宙船でも、数万年の長旅をしない限り隣の惑星系にはたどり着けないのです。
例えば、太陽系全体の広がりはおよそ1万天文単位、すなわち太陽─地球間の距離の1万倍もあります。1977年に地球を旅立った「ボイジャー1号」が、太陽系を飛び出すのには数千年の歳月が必要です。太陽系内に知的生命体がいるのであれば、訪ねてこられる距離かもしれませんが、もし、太陽系の外側から地球を目指そうとすると、さらに膨大な時間がかかります。もっとも太陽系に近い恒星まで、光のスピードでも4年以上かかってしまいますが、ボイジャーのような探査機のスピードでは、数万年もの航海が必要なのです。
宇宙とは、生命体にとってなんと広大な空間なのでしょう。
そこで、ドレイクは宇宙人からのメッセージを受け取ることと、宇宙人に向けて電波でメッセージを送ることを試みています。このような地球外知的生命体探査の活動を、一般には「SETI(セチ/Search for Extra-Terrestrial Intelligence)」と呼んでいます。
ドレイクがまず行ったのは、惑星が存在しそうな恒星に電波望遠鏡を向けて、宇宙人からの電波メッセージを受信しようという計画でした。最初のSETIは、1960年に行われた「オズマ計画」です。
ドレイクは、宇宙人の存在が期待される恒星として、くじら座のタウ星(地球からの距離は12光年)とエリダヌス座のイプシロン星(地球からの距離は11光年)を選びました。この2つの星が選ばれた理由は、太陽系に近い恒星であることと、サイズとその表面温度も太陽と似ているからです。