HUNTER×HUNTERが休載がちでも人気の理由 不定期掲載はもはやこの作品の芸風となった

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現在33巻まで刊行。連載再開と同時に最新巻が発売される見通しだ(撮影:尾形文繁)

週刊少年ジャンプの人気漫画『HUNTER×HUNTER』が、6月26日発売の同誌30号から約1年ぶりに連載を再開する。コミックス最新の34巻も発売となる。集英社が5月、少年ジャンプ+の特設ページで公開した。

HUNTER×HUNTERは現在、週刊少年ジャンプの連載漫画でありながら掲載は事実上の不定期、それも年に数カ月という、少々特異な立ち位置だ。連載される時期も期間も未定のため、連載再開そのものが大きな話題となる。それでも単行本の売り上げは好調で、再三のアニメ化、ゲーム化、劇場版などのメディアミックスも盛んに行われている。

つねに新作漫画が発表され、流行が入れ替わり続ける群雄割拠の漫画界において、「不定期連載」という大きなリスクを背負いながらも、なぜHUNTER×HUNTERは固定ファンをつかみ、独自の立ち位置を築けているのだろうか。

ワンピースに並ぶ長期連載

HUNTER×HUNTERは冨樫義博氏の作画で、1998年から連載しているバトル(戦闘)を中心とした漫画だ。現在の週刊少年ジャンプに連載中の作品では「ONE PIECE」(1997年連載開始)に続く長寿漫画だが、度重なる休載の結果、単行本は2017年5月現在で33巻(2017年6月30日に34巻発売)と、ONE PIECE(2017年5月現在85巻まで刊行)の半分以下の巻数しか出ていない。

にもかかわらず、33巻時点の総発行部数は現時点で6000万部を軽く超えているもようで、現在の連載陣の中ではONE PIECE(3億4000万部超)に次ぐ位置につける。歴代週刊少年ジャンプ連載漫画の中でも10本の指に入るとみられる。さすがに掲載時期だけ雑誌の販売部数が跳ね上がるような特需効果はないものの、単行本の売り上げを見れば「特例」として扱いたくなるのもうなずける。

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