加熱式たばこ「アイコス」、人気沸騰の舞台裏

全国で品薄、ネットでも限定カラーが暴騰中

「アイコス」が全国で品薄状態だ。受動喫煙防止など、肩身の狭い愛煙家にとっての”救いの神”か?(写真:ロイター/アフロ)

加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」が大ヒット中だ。フィリップモリスが世界20カ国で展開、日本でも全国のコンビニや直営7店舗で販売しているが、加熱式たばこの市場で独り勝ちしている。『日経トレンディ』では2016年のヒット商品番付で3位、日経MJでも”東の前頭”にも選ばれた。

競合他社の加熱式たばこを見ると、JT(日本たばこ産業)の「プルームテック」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」は、全国販売体制が整い切れていない。プルームテックは2016年3月から福岡県でテスト販売、またグローは同年12月から宮城県仙台市で販売されているものの、いずれも全国展開では遅れたもようだ。

アイコスの場合、2015年9月から、名古屋地域限定で販売がスタート。全国販売開始のリリースはたびたび延期されてきた。それでも2016年4月18日から全国発売され、今も依然として品薄状態にある。先行したフィリップモリスは2社よりも全国展開が断然早い。

煙で迷惑かけたくないが、ニコチンは摂取できる

加熱用スティック(手前)にたばこを差し込み、加熱によって出てくる蒸気を吸う(筆者撮影)

では、なぜアイコスがここまで独走できたのか、分析してみたい。販売時期は別にしても、アイコスには、既存喫煙者の潜在ニーズを取り込む、3つの要素があったためだと考える。

第1に、たばこの煙で人に迷惑をかけたくないものの、ニコチンを確実に摂取できること。第2に、喫煙者のイメージが悪くなってきて、たばこを吸う姿が格好悪いという不安を解消してくれること。第3に、たばこは健康に悪いかもしれないが、これなら9割くらいましになっているかもしれないと考えていること、などだ。

これらの潜在的な願望を見事に解決し、喫煙者の間では、おしゃれアイテムと言ってもよいほど、急速にシェアを獲得してヒットしていると感じる。通常、たばこ業界では、これほどの短期間で10%ものシェアを獲得することは、今までになかったからである。

次ページ日本の市場は200万人、喫煙者の1割超
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