「家族が賃貸で突然死」は他人事では全くない

いとうまいこさんの一件で騒然

その後は、亡くなった場所である賃貸物件も含めた故人の遺したものを親族間で相続するかどうかの話し合いをし、相続するか、もしくは相続放棄をするかを決めるという。相続/相続放棄で大きく手続きに差が出て来るのがその大きな理由だという。また、相続する場合は、誰が相続するのか、その後の各種手続きを行う代表者を決めていくという。

「賃貸物件での手続きでいうと、まずは解約するのか利用し続けるのかどうかという、貸主側との協議が必要になります。その上で賃貸物件を解約するなら、賃貸借契約の退去予告、電気水道などのライフライン、契約していたインターネットや衛星放送などの解約手続き、その他、退去時に必要となる手続きを行います。その後、遺品整理を行い、貸主側との立会いのうえ、原状回復費などの精算を済ませることによって賃貸物件の退去は完了します」

と、代表者が決まったあとは、いつ賃貸住宅を退去するかを決めて、それにあわせて手続き・遺品整理を進めていく段取りとなりそうだ。

すぐに退去しなきゃダメ? 清掃費用は誰が負担する?

今回のいとうまい子さんのケースだと、「すぐに賃貸住宅を退去せよ」といわれたようだが、傷心の家族にとっては、残酷な話でもあり、気持ちの整理もつかないはず。そもそも、賃貸借契約も「契約」である以上、賃料を遺族が負担していれば、すぐに退去しなくても済むのではないだろうか。

「入居者が亡くなった場合、相続人に賃借人としての地位が承継されていますので、正当な事由なしに一方的に退去させられるということはありません。ですので、室内での自然死だけを理由としてすぐに賃貸契約を解除して退去させられることはありません。実際、故人との思い出や心の整理がつかないということで、入居者が亡くなってから数年たってから遺品整理を行い、その間ずっと誰も住んでいない部屋の賃料を払い続けていたご遺族もいらっしゃいます」

こう聞くと少しホッとするし、家賃を負担し、貸主との信頼関係を常識の範囲で保てていれば、慌てて退去/遺品整理をすることはなさそうだ。一方で、これは自然死が比較的早期に発見されたケース。発見が遅くなり遺体が腐敗しているような場合だと、死臭やハエなどの害虫の苦情が近隣から大家や管理会社へと寄せられることとなり、こうした被害を抑える意味で至急・遺品整理を行ってほしいと要求されることも少なくないという。そのため、入居者死亡発見後、すぐに遺品整理や特殊清掃に取り掛からざるを得ないこともある。

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