「何もない」ゆるりまいさんの家を見に行く

モノが減って、ストレスも減った

夫婦の寝室の横にあるウォークインクローゼット。写真はゆるりさん用で、向かい側が夫用。この1カ所に1年分の洋服、下着、バッグ、靴までが全てつまっている(画像提供/ゆるりまいさん)

服は必要最小限で着まわすが、バッグや靴にはこだわりがあって捨てられないものがあり、比較的多めに残している。女性の場合、「仕事のときの服、山や海などアウトドアに遊びに行くときの服、パーティーや同級会に出席する服、冠婚葬祭用のあらたまった服」など、TPOに応じた洋服が必要なのでは、と疑問をなげかけると「それほど交際範囲は広くないし、海や山にも出掛けないので」とさらりと答えが返ってきた。余計な物を持たない暮らしは、シンプルな暮らしとリンクしてこそなのだ。私は買って一度しか使わない「○○用のアレ、○○のときに使うコレ」をどれだけ持っているのだろうか……と反省しきり。

そして、ゆるりさんの仕事部屋は、猫4匹が頻繁に出入りする。雑貨が好きで、かわいい雑貨を飾っていたこともあったが、猫たちが走りまわって片っ端から物を落としたり、おもちゃにして遊んだり。また、ビニールの袋類を飲み込んでしまうこともあり、危険だった。そして「猫の安全のため、自分のためにも猫が走りまわったときの障害物をなくそう」と仕事部屋にも何も置かないことにした。面倒だが使うときは「いちいち出す」のが習慣になっている。

ゆるりさんの仕事部屋。机上にはパソコンと照明だけを置いて、パソコンを設置したほかに作業スペースをゆったり確保。机の脇にはベンチ型収納。仕事に集中するために余計な物は出しておかない(画像提供/ゆるりまいさん)
夫婦と猫たちの寝室は、ティッシュもベッドサイドテーブルもなく、ベッドだけを設置。寝ている間に地震が起きても家具が倒れる心配がなく安心・安全、かつ睡眠に集中できる(画像提供/ゆるりまいさん)

時間をかけて「捨てられない」家族の協力を得る

ゆるりさんが高校時代に「捨てる」ことに目覚めて、実際に「なんにもない部屋」になるまでは、家族の協力が得られず、8、9年かかった。捨て魔で、物を持ちたくない自分と、片づけが苦手で「捨てる」という言葉にも過敏に反応した母と祖母。「今では断捨離とか、ミニマリストという言葉も生まれましたが、当時は捨てること自体がもったいないとか『物を粗末にしてはいけない』と、拒否反応を示していました」。家族と何度も衝突し、心が折れたり、諦めたりしながら、せめて自分のまわりだけは理想の空間を得ようと試みた。

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