空き家を子連れオフィスにするドイツの発想

ライプツィヒの取り組みに学ぶ

尾道市からライプツィヒにやってきた吉岡春菜さん(写真:村島正彦)

さまざまな用途での利用を模索中

この「子連れオフィス」の入居する建物は、もともと建物全体が空き家だったこともあり、フロア毎に順繰りに手を入れながら、さまざまな用途で利用を模索するなど発展途上だ。4階は昨年からAirbnbとして利用・運営して収益を得ているという。

このほか、道路に面した1階にはピザ屋を開業して、収益事業の一部を担っている。ドイツ人のほか外国人も含むボランティアで運営している。一般的なレストランというよりは、コミュニティレストランとしての色合いの強い運営を行っているようだ。

ヨハンナさんは「おカネを払えばなんでも買えるけれど、そんな社会を私たちは望んでいるわけではないでしょう。“子連れオフィス”の試みをきっかけに、仲間たちで輪をつくって世の中を変えることができるかもしれません」と話す。

東西ドイツ統合から四半世紀を経過して、旧東独・ライプツィヒの空き家を拠点とした、新しい地域の相互扶助、おカネ万能ではないオルタナティブな暮らしの再構築の試みと言えるだろう。吉岡さんは「ロックツィプフェルは、利用者の親子相互、ベビーシッター、階下の別プロジェクトのボランティアの住人など国籍もふくめさまざまな人々の交流の場となっています。日本にもこのような多様な世代や多様な人々が交わる場所をつくり出せたら」と話してくれた。

(文:村島正彦)

●取材協力 子連れオフィス「ロックツィプフェル(Rockzipfel)」(独)

 

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