空き家を子連れオフィスにするドイツの発想

ライプツィヒの取り組みに学ぶ

利用する親はホームオフィスとして利用することができ、Wi-Fi完備の環境のなかパソコンを使っての仕事を行えるほか、仕事ではなく子育ての息抜きなど単なる交流の場、親自身の趣味や雑務を行う時間を過ごせる場としての利用も認めている。ボランティアのベビーシッターの助けを借り、また親同士の助け合いによって、子どもたちと親たちが快適に過ごすことができる場を創り出そうというものだ。

ここでは、親のための子育てに関するワークショップも行うほか、親たちの意見を尊重しながら子どもたちに音楽や、外国語、お絵かきなどの教室なども提供している。

一方、子どもたちも、親と一緒に居ながらにして、学びや遊びを通して友だちを広げていくことができる。

利用は月曜から金曜までの10〜16時が基本となる。週5日利用して月当たり150ユーロ(約2万円)、必要な日だけの利用も可能だ。

リンデナウ地区、「ロックツィプフェル(Rockzipfel)」の入居する建物。数年前までは空き家だったという(写真:村島正彦)

ロックツィプフェルは多様な世代や人々の交流の場

「子連れオフィス」では、ベビーシッターのボランティアを広く募っている。訪れたときには、日本人女性の吉岡春菜さんがベビーシッターとして、この建物の一室に間借りしながら働いていた。

吉岡さんが、ここのボランティアの情報を得たのはワークアウェイ(workaway.info)という、世界中をカバーするボランティアのマッチングサイトだ。異なる文化、海外で住みながら仕事やボランティアを体験できるプラットフォームを提供するものだ。

半年前までは、広島県尾道市のゲストハウスで仕事をしていたという吉岡さん。「過去にドイツでボランティアをしていたことがあり、ドイツの社会生活に興味をもっていました。たまたま、欧州のなかでも注目されるライプツィヒのいろいろな活動に関心をもったのです」とそのきっかけを話してくれた。「ここには、母親だけでなく父親も見学や体験に来ます。両親で通ってくる人も。子育てに父親の存在感がある」とロックツィプフェルの印象を話してくれた。

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