「天空の城」越前大野城で織物を配る人の思い

「天空人」グッズを自ら製作

「天空の城」越前大野城の撮影スポットで出会った人に「天空人」と記した越前織をプレゼントしている加藤さん(左)=大野市犬山

雲海に浮かぶ「天空の城」越前大野城にほれ込んだ福井県大野市の男性が、同市犬山の撮影スポットにほぼ毎日登り、出会った人に「天空人(てんくうびと)」と記した細巾(ほそはば)織物「越前織」をプレゼントしている。「雲海が発生せず天空の城を見ることができなかった人にも、また来たいと思ってほしい」との思いがある。

県自然保護センター職員の加藤幸洋さん(同市)。昨年10月に天空の城の光景を見て以来、魅力のとりこになった。

天空の城は全国的に話題になり多くの人が撮影スポットに訪れているが、秋から春先にかけてのシーズン中に見られるチャンスは10回程度。加藤さんは「実際に立ち合えた時は別世界のよう」と目を輝かせる。

訪れた人を「天空人」として歓迎

加藤さんは「何か記念になるものを」と、昨年10月に自身が撮影した天空の城の写真を、知人が営む織りネームを手掛ける会社「かぎしっぽのにゃにゃ」(福井市)に依頼して越前織に仕立ててもらった。

同社は写真を基に手作業で一つ一つの織り目の色を決めてデータを作り、天空の城の姿を鮮やかに再現。右下には「天空人」の文字が記されている。縦約10センチ、横約15センチ。加藤さんの思いに共感し、無償で800枚ほどを作製した。

加藤さんは顔見知りを含めて撮影スポットで初めて出会った人にプレゼントする。訪れた人を「天空人」として認めることで、互いに親近感が湧くようだ。市内の飲食店の中にも、「天空人」の越前織の提示で割引するなど、歓迎ムードが広まっている。

このほど愛知県幸田町から初めて訪れた夫妻は、越前織を見て「記念になってうれしい。家に飾ろうかな」と喜んでいた。

加藤さんは登山道や撮影スポットの環境を整えたり、会員制交流サイト(SNS)で情報発信したりもしている。「季節によって表情が変わるのもいいところ。リピーターを増やしたいですね」と話していた。

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