「独身女子」が陥る「貯金地獄」というワナ 29歳で貯金1300万円なのに老後が超不安

拡大
縮小
FPの筆者に相談に来たのは、29歳で貯金1000万円超もあるのに「老後が不安で仕方がない」という「貯金地獄」に陥っている女子だった。解決策はあるのか?(写真:miya227 / PIXTA)

今回のマネー相談は、おカネがあるのに不安で仕方がないという「独身女子」のお話です。うそでしょ! と思われるかもしれませんが、こういう相談はとても多いのです。29歳にして、貯金1300万円というS美さん。20代で1300万円もあるとは本当に驚きですが、悩みは「とにかく老後が不安で、時々考えすぎて夜も眠れなくなる」と言います。ニュースや雑誌などで「老後は1億円必要」という文字を目にするたびに、「もっともっと貯蓄しなくては」と焦るのだそうです。もうこうなると、プチ「貯金地獄」といえるのではないでしょうか?

今回はそんなS美さんの悩みと、それをお聞きして筆者がアドバイスした「対応策」を見ていきましょう。

なぜ「20代年収550万円」で1300万円も貯金できたのか

お聞きすると29歳のS美さんは、独身。職業は薬剤師で年収は550万円程度と、同世代の女性と比べるとお給料は少し高めというくらいですが、無駄遣いすることなく、手取り収入の半分以上は貯蓄しているという堅実ぶり。会社の近くにある金券ショップに立ち寄っては、お得なクーポンやチケットを入手して、節約を心掛けているそうです。

節約生活を送っているイメージとは裏腹に、さわやかなかわいらしい雰囲気のS美さん。センスのよい洋服や靴などはすべて古着屋やお得なサイト、ファミリーセールなどでゲット。化粧品もなんと手作りで、月に1000円程度! で済んでいるとのこと。情報を収集し、自分自身で比較できることはすばらしいことです。情報リテラシーの高さがうかがえます。

当然、食事は自炊が基本。毎日仕事場にもお弁当と水筒を持参し、友人と食事するとき以外、外食はほとんどしないとのこと。1人暮らしで都内のアクセス抜群のエリアに住んでいるのですが、会社からの住居手当もあり、毎月の家賃も抑えられています。

次ページ「貯金1300万円でも漠然と不安」のナゾ
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT