阪急電鉄はなぜ「学童保育」に参入したのか

阪急タクシーが学校までお迎え

阪急電鉄と言えば、活発な沿線開発で民間鉄道のビジネスモデルを確立した企業として知られている。郊外人口が減少するなか、次世代の街の魅力づくりに何が必要なのか。その答えのひとつがこの事業なのかもしれない。住宅や商業地の開発だけでなく、「子育てしやすい街。その一翼を担うことで、住みたい街、末永く住み続けたいと思っていただける沿線になっていければ」

「学校が終わる時間に、阪急タクシーがジャンボタクシーで学校までお迎えに行きます」

子どもたちは「Kippo」周辺の学校からここまで、プロの運転手が運転するジャンボタクシーでやってくる。

「小学校の教員免許や保育士の資格をもったスタッフもおり、子ども10人に1人以上が見守れる体制で、子どもの入退出時刻は、リアルタイムで親にメール配信されます」

事業主体が公共輸送機関であることで、子どもたちの「安全」には特に留意しているという。

「例えば、フリーランスの職業の方は、曜日によって勤務時間が異なり時間が不規則になるため、延長で21時まで食事もできるアフタースクールは、便利だと聞きます。それと、台風が来て学校が急に休みになっても、職場は休みにはなりません。私たちはスタッフに緊急招集をかけて、お預かりできる体制を整えます」

学校が終われば、ワゴン車でお迎えに(画像提供:阪急電鉄)

今の時代、働き方は多様だ。在宅で仕事をこなすワーキングマザーにとっても、放課後の子どもの居場所があれば、仕事もしやすい。しかも必ず利用する駅が子どもとの接点になれば便利だ。

子育てと仕事を両立させるために子育て世代に今求められているサービスと立地とは。働きやすく住みやすい街づくりを担う「Kippo」。お伺いした豊中店は開業以来2年の間に、順調に利用者を増やしている。出店リクエストも寄せられており、その声にこたえて、「豊中駅」「西宮北口駅」に続き、この春、4月には「池田駅」に3店舗目の出店を果たす。

「学び」「遊ぶ」多彩なプログラムで最初の一歩の体験を

まずは、学校の宿題を済ましてから(画像提供:阪急電鉄)

「Kippo」のネーミングの由来は、KIDS+IPPO一歩(いっぽ)だ。何事にも一歩踏み出すそのお手伝いをしようと「学び」と「遊び」のプログラムが組まれている。例えば、社会・しごとの体験では、駅長さんにインタビューをしたり、電車の工場見学や阪急電鉄の駅コンビニ「アズナス」での店員体験もある。ほかにも、郊外に出かけていく野外活動や、料理や工作物のものづくり体験など、学校では体験できないプログラムも用意されている。

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