親が子に「オトナの世界」を感じさせる意義

「他人」と意識して接するほうが健全だ

紫原:それが大事なのかな(笑)。いつか子どもが大人になったとき、空虚な気持ちにならないように育てたい、という思いがあります。人が大人になった後で「あの頃寂しかったな」と感じる機会なんて、探せば山のように出てきますよね。たとえば、私が育った家庭も安定していましたし、母親は専業主婦でしたが、父は単身赴任だったし、母はPTAの行事で家を空けることも多かった。でも、今そのことを思い出して、空虚な気持ちになることはないんです。

LiLy:何かコツってあるんでしょうか?

子供への関心をわかりやすく示す

紫原:まだトライアルの段階だからこれが正解とは言えないけど、あなたたちは私にとって、重要度が高い存在なんだよ、と一緒にいるときに、わかりやすく示すようにしています。たとえば、夜に会食が必要なこともあるんですが……。

LiLy:あまり多くは入れられないですよね。

紫原:そうなんです。基本的には週2まで、と決めていますが、それより多くなることもあるし、子供たちとゆっくり向き合える時間が取りにくいこともあります。量が確保できないときには質しかないので、とにかく限られた時間で子供達の話を真剣に聞く。クタクタで家に帰ってきたときなんかは、もう最後の力を振り絞りながら「それでそれで?!」と食い気味に(笑)。あなたたちに関心があるよ、と伝わるようなコミュニケーションが大事なんだろうと思うんです。……とはいえ、私の体力も有限なので、今週忙しかったから来週で帳尻を合わせる、というように、ロングスパンでやってます。

LiLy: 素晴らしいなぁ。

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紫原:あとは、“おみやげ”もよく持ち帰ります。といっても、必ずしも店で買ったものじゃなくて、外出先で見つけた綺麗な落ち葉とか、街で見かけた変な看板の写真とかです。夜に子供達に見せて話をするんです。恋人の気持ちを引くように接している感覚かもしれません。別々に過ごしていた時間を共有したいし、そんな思いを感じて嬉しくなってほしいなと。今どう思ってるかはわからないけど、きっと後から効いてくると思うんです。大人になって空虚な思いを抱えてしまわぬよう、今からちょっとずつ仕込みをしていますね。

LiLy:あなたは私のトッププライオリティだ、と意識して伝える。素晴らしいです。参考にさせてもらおう。今日はありがとうございました!

(構成:池田園子 撮影:菊岡俊子)

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