親が子に「オトナの世界」を感じさせる意義

「他人」と意識して接するほうが健全だ

「子供のままでいたい」と親が子に思わせるなんて、つまらない(写真:vinnstock / PIXTA)
前編では、離婚したあとに感じた自由と葛藤について語り合った作家のLiLyさんとエッセイストの紫原明子さん。後編では、お二人のそもそもの結婚観から、子どもたちとの関係の築き方まで話題が広がります。

親の仕事のひとつは、子供に自己肯定感を植えつけること

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

紫原:『ここからは、オトナのはなし』を拝読して、Lilyさんはお母さんとかなり激しい本音トークをされてこられたんだなと驚きました。私と母の場合は、親子であってもある程度距離があって「困ったときはいつでも言ってね」「ありがとう、お世話になります」みたいな感じなんです。

LiLy:喧嘩もすごく激しかったけれど、そのぶん母親は私を子供扱いせずに常に対等に扱ってくれていたんです。「あなたはもし女優になったらブスといわれるけど、知性で勝負した職業につけば美人っていってもらえるかもね」的な遠慮なきホンネを言ってくるので、こっちもホンネ返しスタイルです。ただ、その中で、圧倒的な自己肯定感をプレゼントしてもらいました。お母さん、私のこと、大好きすぎでしょって、十代の頃は特に、「そのパない愛情、重いなー」くらい思っていましたから(笑)

紫原:へえ! 考えてみれば、うちの場合は、親しき中にも礼儀あり、を地でいくような親子関係だったので、個人を尊重してもらっている、という実感が得やすい環境でした。大事にされていないかも、と疑ったこともなかったです。だけど、人との快適な距離感って人それぞれだし、LiLyさんとお母さんのように、本音で激しくぶつかり合う親子もいますよね。それでも、根底では愛されてる、という実感を子供が持ち続けられることが重要なんだろうと思います。そして、とても高度なことなんじゃないかな、とも。……ぶつかりあっても“お母さんは私のことが大好き”という感情は、どういうところから伝わってきたんでしょうか? 

LiLy:私のことを「ちょっとブスでそこがいいわね」と的確にディスってくるわりには、この世のすべての男が自分の娘を狙っていると勘違いしてるところもあって(笑)。高校時代も、「お母さん、親馬鹿だよ、私べつにモテないし彼氏にもフられたし」と伝えると、母親は、「え!?」みたいに目を丸くして驚いていたりして。母は天然なんですよ、とてもかわいい人で。「あなたは愛される人だ」と母親自身が完全に思い込んでくれていたことが、自然と私に自己肯定感をくれました。

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非正規労働者が年末年始の待遇や病気休暇などについて正社員との格差是正を訴え、最高裁は格差は不合理で違法とする判決を出しました。一方で賞与や退職金についての格差是正はほぼ全面的に退ける判決も。非正規労働者の待遇は改善するのでしょうか。

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