女子高生に学ぶSNSサブアカウントのススメ

ネットとリアルは単純に切り分けられない

私は、大人数での飲み会が苦手だ。大人数での飲み会は、とにかく自分を調整する対象が多い。自分が発言する度、「あの人は笑ってくれたけど、あの人は不機嫌になったかな」とか、「この人の前でこんな風に振る舞うのは大丈夫だろうか」とかを気にしなければいけない。(気にしなきゃいけないわけじゃないけれど、気にしてしまう)

私たちは"ブランディング"だとかそういうものとは関係なく、対峙する相手によって、少しずつ自分のキャラクターを調整しているのだ。それは嘘をついているわけじゃなくて、自分の中にある情報のうち、どれを相手に渡すかを吟味する作業なのだと思う。

渋谷のスクランブル交差点化したネットで思うこと

2017年現在、インターネットはもはやヲタクのものだけではないし、特別な人だけが使うものではない。インターネットおよびSNSの住民はどんどん増え、リアル世界と地続きなものになっていっている。だからこそ、ネット世界はリアル世界に限りなく近づき、ネット人格とリアルな自分はゆるやかに交わり、単純に切り分けられるものではなくなっているのだ。

そうなっている今現在、改めて考えてみると、自分が知っている人全員に対して“自分”を一つのアカウントで発信するのは難しいとは思わないだろうか。私たちは何も感じなくなってしまっているけれども、毎日毎日「寝坊した」とか「お腹すいた」みたいな内容を、何もセグメントされていない全方向の友人たちに伝えているのである。フォロワーが5000人以上いるTwitterアカウントで毎日呟いている私が言うのはおかしい話だが、"5000人に伝えたいつぶやき"なんてものは正直そうそう無い。

ほんとうは、好きな人の前では思いっきり可愛らしいツイートをしたいし、同じ趣味を持った人の前では沢山のツイートを連発して共感したいし、時には尊敬する人たちとディスカッションのようなやりとりをしたい。360度全員に見せたい自分なんてない。対峙している人に合わせて自分の見せ方を調整したい。リアル世界でそうしているように。

だからこそ、JKたちは自分の発言を届ける相手を細かく分けたり、目標を達成するためのアカウントや趣味を楽しむアカウントを作成して一種のコミュニティを特設したりするのだろう。その方がずっと自分らしくいられる。むしろ、リアルで関わる人が大勢いるインターネットにおいては、そちらの方がよほど健全だ。

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