離婚は女にとって「傷」ではないという実感

恋と生活は水と油でなかなか両立しない

LiLy:当時の両親は、今の私と同じ30代。あの頃は、いい年してなんなのこの人たち、もっと枯れてくれよ、と思っていましたが(笑)、今思えば、あたりまえに現役の男と女なわけです。そして、子供の前でも抑えきれないくらいに激しい喧嘩をしていたふたりは、今は60代ですごくすごく仲良くて。あ、もちろん現役で激しい喧嘩はしていますが(笑)。

そう考えると、私の結婚の失敗のひとつは、子供の前で「女」である自分を、得意の百かゼロか、でゼロにしてしまったところがあったと思う。母親の「女」の顔をみるのが子供の頃すごくイヤだったという記憶から。

紫原:なるほど。反面教師になってしまったんですね。

「理想の母親像」との葛藤

LiLy:でも、両親の喧嘩が私を物書きにしてくれたうえに、今もふたりは仲良いんですよね(笑)。だから、どちらが正解なのかはわかりません。正解なんて、ないのかもしれません。ただ、今でも、自分の中に刷り込まれた「理想の母親像」との葛藤はすごくあって。

私は、いわゆる「お母さんの仕事」とされる「家事」も「料理」もすごく苦手なこともあって、ただ「お母さんの仕事」という刷り込みの中には含まれていない「仕事」はすごく得意で。でも「仕事」をしていると子供と一緒にいられる「時間」は減るわけで。

紫原:そうですよね。

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LiLy:そういう意味では、母親としての自信をなくすことの連続です。でも、それでも、「愛情」だけは、惜しみなくと思っていて。毎日口に出して「愛してる、大事だよ、大好きだよ」って伝えていて。ダメなところを挙げたら切りがないけれど、そんなふうに自己ベストで頑張ってるんだから、私はこれでいいんだ!って自分に優しく声をかけてあげることにしています。

「お母さんがハッピーなら子供は幸せ」とはよく言いますし、ほんとうにそうなのですが、その肝心な「お母さんとしての自分を肯定すること」って、「お母さん像」の刷り込みがある故に、実は一番くらいにタイヘンなことで。

みんな、ギリギリですよね、それでも、自己肯定を死守するように心がけています。

(構成:池田園子 撮影:菊岡俊子)

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