離婚は女にとって「傷」ではないという実感

恋と生活は水と油でなかなか両立しない

紫原:なるほど。私は彼の自由さがうらやましいな、と思っていました。それでも、子供に申し訳ない気がして、羨ましいとは思わないようにしよう、と自分の感情と戦ってました。

LiLy:わかります。子供ができても仕事のペースを落とさずにいられる夫が「羨ましい」と私は口に出して言ってしまっていました……。

シングルマザーは意外にモテる

 紫原明子(しはら・あきこ)/エッセイスト。1982年、福岡県生まれ。高校卒業後、音楽学校在学中に起業家の家入一真氏と結婚。のちに離婚し、現在は男女2人の子を持つシングルマザー。ブログ「手の中で膨らむ」が人気を集め、執筆活動を本格化。著書に『家族無計画』『りこんのこども』がある

紫原:実は離婚前は、離婚すると「脛に傷を持って生きる」みたいな、なんとなく暗い感じを想像していました。でもシングルに戻って、自由になってみると、まったくそんなことはなくて。

LiLy:これは本にも書いたのですが「子供もいるのに離婚してタイヘンだね」と言われたことが、男女問わず一度もないことに気づいてビックリした部分があって。住んでいる場所もあると思いますが、女性の経済的な自立が一部では既に浸透していますよね。「離婚が傷」と言われることはゼロで、どちらかといえば「もう子供もいるし余裕だね」という意見ばかり。私自身、20代の頃からもし自分が妊娠しにくい体質だった場合を考えて養子縁組について調べるほどに、母親になることを熱望していたので、そこの部分に関して本当に同感です。

紫原: 離婚して、もうひとつ意外だったのは、シングルマザーは思いのほかモテる、ってことですね。良くも悪くも、男の人から「この人には子供がいるし、結婚も迫ってこなさそう」だと安心されるんでしょうかね。

LiLy:母という存在が男の人の目には、こうも魅力的に映るものなの!?というのは私も目からウロコでした。

紫原:とくに私は18歳で結婚して家庭に入っていたこともあって、30歳になる少し前に初めて社会に出たとき、ろくに美人でもないのに女性というだけでこんなに優しくしてもらえるの?と、びっくりすることもありました。「あぁ、なんか楽しいなぁ」って穏やかな気持ちに(笑)。別居から離婚まで4年くらいかかったので、女性としての自尊心はすっかり折れていたんですけど、社会の中でずいぶん癒されました。

LiLy:母になり離婚を経てモテる、というのは一種のセラピーですよね。

紫原:そう、まさに。

LiLy:若いときの「モテる」とは感じ方が違って、じわじわ癒やされるんですよね。自尊心を立て直していけるというか、女としての自信を失っていたところに、キラキラしたものが染みていく感じ、というか。なんかもっと穏やかな気持ちで、わー、ありがとうね、って(笑)。

紫原:嬉しいよー、ありがとねーみたいな(笑)。優しい気持ちが満ちていきます。

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