憧れの都心暮らしを叶えた人が「捨てたもの」

常識を手放すとうまくいく

キッチンのテーマカラーは、楽しい気分で料理ができそうな色、料理がおいしく見えそうな色を……と考えて、「赤」をセレクト。シンク背面の造作家具にもテーマカラーを施して、実用性だけでなく「好き」や「楽しい」も追求することにしました。

無理なく暮らしをダウンサイズするには

88㎡、2LDKから46㎡、1LDKへ引越し、都心での暮らしを満喫しているかみて夫妻。同じように、「いずれは都心のコンパクトなマンションで暮らしたい」と考える人は大勢いると思います。けれども、一度大きくなった暮らしをダウンサイズするのは簡単なことではありません。

約11年間、借りていたトランクルームを訪れるたびに、すべてのものを見返していたら、突然「踏ん切りのとき」がきたというかみてさん。「すぐに手放せなくても、ものを定期的に見返すことが大切。“そのとき”を見極めやすくなります」

「ものとの付き合い方は年齢とともに変わってゆきます。自分が無理なく次の暮らしのステージに移れると感じるときがきたら、そのときにできる方法を考えてみてもいいのではないでしょうか? 最近は、わたしたちのような片付けのプロがダウンサイズをお手伝いするケースもよくあります」というかみてさん。

ご自身も、ものに対する考え方が少しずつ変わり、“普段使ってはいないものの、まだ手放す決断がつかないもの”を収めるために借りていたトランクルームを、解約したそうです。

「トランクルームで使っていた収納用品はネット上のフリーマーケット『ジモティー』で、欲しいと言ってくれる人に譲りました。毛糸や布地は『NPO法人JFSA事務局(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)』に寄付。手放してもいいと思えた本は『本棚すっきり研究所』へ、残しておきたい本やアルバムなどはスキャン。段ボール2箱分あった衣類も、リサイクルショップに買い取ってもらいました。たいていのものにはリユース、リサイクルする方法があると知ることで、ダウンサイズのストレスが減る場合もありますよ」

同じ場所に長年暮らしていると、好きでもないのに、使ってもいないのに“なんとなく持っているもの”が、少しずつ増えていきます。広い家に住んでいても、狭い家に住んでいても、“今の自分”の価値観でこまめにものと向き合い、“今の自分”に合うものだけを選び取っていくことが大切なのかもしれません。

告白すると……実はわたしも、数年前に「今はまだ手放せない!」と感じたものを箱に詰め、部屋の片隅に追いやったままにしています。かみて邸を訪れ、改めて“今の自分”の価値観で箱のなかを見返してみたいと思いました。

(文:さいとう きい / 写真:飯田照明)

●取材協力 かみて理恵子さんHP
ライフオーガナイザーとして、「収めるしくみ研究所」主宰。リバウンドのないきれいな部屋を維持するため、「ものを使って収め、また探して取り出し、使って収める」のサイクルを仕組み化する手法を伝えている。「第二の人生空間をつくる研究家」としても活躍中

 

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