無人のJR小浜線加斗駅を救った理髪店夫婦

髪を切りつつ、切符も切る

駅舎入り口に理髪店のサインポールが回っているJR小浜線加斗駅=福井県小浜市加斗

髪を切りつつ切符も切る理髪店夫婦

赤、白、青色のサインポールがくるくる回っている。JR小浜線加斗駅舎内で理髪店を営む夫婦が切符を売り、清掃など管理を一手に担う。全国的にも珍しく、人情味あふれる駅舎だ。

1973年4月に無人駅になった。駅の前で理髪店を営んでいた塚本久夫さん、朝子さん夫婦=福井県おおい町=は、JR西日本からの打診もあって95年、市民らの協力を得て駅業務室を改装し、理髪店を開店。業務も引き受けた。

現在、一日の利用者は学生を中心に約70人。駅舎とホームの間の敷地には、ピンク色などのコスモスが風に揺れている。「花の時期を長く楽しんでほしい」(朝子さん)と、毎年4月ごろから時期をずらして3回種をまいている。

駅舎、トイレ、ホームの掃除は欠かすことがなくピカピカ。「駅をずっと残してほしいから、利用者を増やしたい。きれいで気持ちいい方がいい」と久夫さんは頬を緩めた。

夏場、海水浴などに来る県外客はサインポールの前で記念撮影するという。塚本夫妻の柔和な笑顔とサインポールが、乗降客をいつも迎えている。

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