「親だからわが子を理解している」という誤解

疑問があれば率直に尋ね、言葉を尽くそう

ところが、多くの親は子どもの要求をすぐに聞いてはいけないと思って抵抗します。子どもは泣いたり、床を転げ回ったり、精一杯戦います。しかし、人目が気になりますから、ついに子どもの要求を呑んでしまうのです。

それなら、初めから買ってもいいと私は思うのですが、泣いたり怒ったりしているのであれば、買ってはいけません。言葉でお願いした時にだけ買うということに決めておけばいいのです。

もちろん、子どもは初めから言葉でお願いすることはできません。赤ん坊は、生きていくためには、親に食べ物を自分の口に運ばせなければなりませんでした。その頃はまだ言葉を話せないので、言葉の代わりに泣くことで、まわりの大人を自分のために仕えさせようとします。そうしなければ生きていくことはできなかったのです。

ところが、やがて言葉を使えるようになっても、相変わらず泣いたり、不機嫌になったり怒ったりして、まわりの人を支配し続ける子どもがいます。

しかし、このような仕方でまわりの人を動かさなくても、言葉を使えば、自分の思いを伝えることができるということを、近くにいる大人は教えなければなりません。どんなふうに言葉でお願いすればいいかは、最初は大人が子どもに教えなければなりません。

体罰に正義など何もない

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問題は、大人までもが言葉ではなく、感情を使うことです。大人は子どもを叱ります。叱るのと怒るのとは違う、怒ってはいけないが、叱ることは躾のために必要という人がいますが本当ではありません。アドラーはこんなことをいっています。

「体罰は怒りの感情を伴ってなされる。そこに正義など何もない。復讐のために体罰が加えられるのである」

たとえ手を上げなくても、叱ることは体罰と同じです。躾のためというのは自分の怒りを正当化するために持ち出される理由でしかありません。

即効性を求めて大人は怒りの感情を使うのですが、たとえ時間がかかっても言葉を尽くして問題を解決していくことを子どもには学んでほしいのです。

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