「親だからわが子を理解している」という誤解

疑問があれば率直に尋ね、言葉を尽くそう

「親の私が一番よく知っている」は思い込みだ(写真:lightwavemedia / PIXTA)
ミリオンセラー『嫌われる勇気』をはじめ数々の著書を通じて、「アドラー心理学」を日本中に広めた岸見一郎さん。
実は、岸見さんがアドラー心理学と出会ったのは、子育ての悩みがきっかけでした。
当時お子さんの保育園の送り迎えをする中で、大人の思い通りに動かない“子ども”という存在に、戸惑い試行錯誤していたそうです。そんな時、まだ日本語に翻訳されていなかったアドラーの著書を友人から借り、実行してみたところ、自身の子どもに対する考え方が大きく変化しました。
ウィーンに世界で初めての児童相談所をつくるなど、教育に強い関心を寄せていたアルフレッド・アドラー。そのアドラーの哲学を凝縮、現代の子育ての悩みを踏まえた上で、どう「実践するか」を書いた一冊、『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』から、<叱らない、ほめない子育て>の極意を抜粋して紹介いたします。

親といえども子どものことはわかりません

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

子どもには、親でも代わることができない、自分で解決するしかない課題があります。子どもがそのような課題に直面している時、親は基本的には見守るしかありませんが、自力では解決できないこともあるかもしれないので、そんな時にそなえて「何か手伝えることがあったらいってね」と伝えておくことはできます。

そして、もしも、子どもの方から何らかの援助を求めてくれば、可能な範囲で手伝うことはできます。これが子どもに協力するということの一つの面です。可能な範囲でというのは、例えば、子どもの代わりに親が勉強するわけにはいかないからです。

大事なことは、親は、子どもからの援助の依頼がなければ、動くことはできないということです。あるテレビドラマで、息子の妻が妊娠したことを知った姑が、彼女が勤務する会社に行って、今は身体が大切だから、と海外出張のスケジュールを取りやめにしてほしいと頼む場面がありました。大方の人は、姑のこの行いを笑止と見るでしょうが、子どもに対してこれと同じようなことをしていることに気づいている人はどれだけいるでしょう。

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