「マンション価格推定サイト」が増えるワケ

どう利用すべき?

価格推定以外にも、サービスの可能性はまだあるでしょう。買い手がどんな物件を求めているのか解析・カスタマイズし、その客に勧める物件の順番を変えて表示することで、探す時間を節約することができます。
消費者に対して、世の中を便利にしていく手段として、関係者は取り組んでもらいたい。不動産取引を短期で、かつ適正に行えるように、IT技術を取り込む余地はまだまだあると思います。そのためには、これからつくっていきたい不動産市場のあり方について、どのようなものにしていきたいかという思想の部分が大切だと思います。

――価格推定サービスが、不動産業界に与える影響についてはどうお考えですか?

私は、不動産仲介というのは、全てがIT技術や情報に取って代わられるものでもないと考えています。私は「アート」と「サイエンス」と呼んでいるのですが、プロの仲介会社が物件を案内して成約に結びつける人間的な部分は「アート」として重要だし、残ると思います。価格推定など統計解析による「サイエンス」によって不動産市場の透明化や迅速化に役立てられる部分もあります。これら「アート」と「サイエンス」が共存してよりよい不動産市場が形成されていくものだと思います。

消費者はどう活用すればいい?

――住宅消費者は、どのように活用していけばいいのでしょうか?

わが国の不動産取引については、不動産会社が持っている情報と消費者が知り得る情報の差が指摘されていました。いわゆる「情報の非対称性」と呼ばれるものです。

価格推定サイトの登場によって、消費者側も不動産価格について比較的客観的な情報が得られるようになったことは喜ぶべきことです。これからは、消費者も不動産会社と交渉する材料を集めるなどして賢い消費者となる必要があるでしょう。そうした際に、こうしたサイトを活用していくことは有効です。

また、当面売却の予定がない人も、自らの所有する不動産の現在価格を気軽に知ることができ、ローン残債と現在価格はどうなっているのか、賃貸に出したらいくらで貸せるのかなど、資産管理や人生設計に役立てることもできるでしょう。

(住まい・まちづくりコンサルタント、村島正彦)

 

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