ギャップ、ザラに続き…世界最大アパレル、ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)が日本に上陸!

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ギャップ、ザラに続き…世界最大アパレル、ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)が日本に上陸!

世界28カ国で1500店超を展開するスウェーデンの衣料品専門店ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)。9月中旬、東京・銀座に第1号店を開業する。世界的巨艦の来襲に、お手並み拝見とばかりアパレル各社の注目が集まっている。

5月中旬、東京でH&M秋冬コレクションの展示会が催された。会場には、ベーシックから最先端のファッションを取り入れたモードまで、あらゆるアイテムが並ぶ。参考価格の表示を見て目を疑った。紳士向けの無地Tシャツが1000円台、婦人向けのウールコートが1万円台、ニットワンピースは5000円台。どんなに高い商品でも2万円台だ。

品ぞろえは、各店の立地や客層に合わせて構成されるが、フルラインでは価格もデザインも、日本の代表選手、ユニクロより幅広い。実は、ファーストリテイリングが「ユニクロを世界で通用するグローバルブランドに成長させる」と公言する視線の先にあったのもH&Mだ。

トレンドと低価格に強み 驚異的な収益力の秘密

H&Mは、米国のギャップ、「ザラ」を展開するスペインのインディテックスと並ぶ、世界3大アパレル小売りの一つ。年10~15%のペースで出店を拡大し、過去5年間で、売上高は73%、当期純利益では139%と高い成長率を誇る。


 1974年の創業以来、欧州を中心に出店を続けてきたが、2000年に北米、06年に中東、07年春には上海・香港と、ここ数年は世界進出が目覚ましい。「東京出店は長年の夢だったが、ようやく魅力的な立地が見つかり実現した」とクリスティン・エドマン日本支社長は意気込む。

社内には、100人以上のデザイナー、60人以上のパタンナーを抱えている。彼らのアイデアの源泉は、ストリートファッション、映画、メディア、歴史などさまざま。エドマン支社長は「ファッションはグローバル。情報が世界中を駆け巡る今では、パリではやるものはニューヨーク、東京でもはやる」とファッション性の高さに胸を張る。

H&Mでは、アジアと欧州の約700社に生産委託している。自社工場を持たない手法は、ギャップやユニクロと同じ。だが、H&Mの収益力は、両社をはるかに上回る。ある小売り関係者は「大量出店に伴う生産ロットが年々拡大するうえ、商社などの中間業者が介入していないため」と分析する。一方、インディテックスは自社工場を保有して、すべての工程を管理することで在庫ロスを徹底排除しており、利益率は高い。それでも最近は、スケールメリットの出てきたH&Mが、粗利益率では上回る。

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