子なし女性への悪意なきハラスメントの実態
山口智子さんの発言はなぜ共感を呼んだのか

悪気はないとわかっていても割り切れないものです(写真:わたなべ りょう / PIXTA)
第1回: 「子なし女性」の誰にも言えない本音と葛藤
第2回:「子なし女性」が抱く罪悪感と虚脱感の正体
「ノンママ」とは、いろいろな事情で、子どもを持たない人生を選択した女性のこと。この夏、「ノンママ」をテーマにした書籍と連続ドラマが誕生しました。
書籍は香山リカさん著『ノンママという生き方~子のない女はダメですか?~』(幻冬舎)で好評発売中。ドラマは『ノンママ白書』。主演は鈴木保奈美さん、東海テレビ・フジテレビ系で、8月13日(土)スタートです(毎週土曜 夜11時40分予定)。
働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で嫌がらせされたり、妊娠・出産・育児を理由とした解雇や雇い止め、退職の強要など不当な扱いを受けるのが、マタニティ・ハラスメント=マタハラ。
マタハラは最近になって、やっと社会問題として認知されるようになり、今年の3月には、企業にマタハラ防止措置を義務づける法改正が行われました。
そしてワーキングマザーだけではありません。ノンママたちもさまざまなハラスメントに苦しんできました。ノンママに対するハラスメントの特徴は、「悪意のないハラスメント」が大部分を占めていることだと、香山リカさんは言います。
ノンママたちは傷ついている
“本当の理由”はどうであれ、子どものことはとりあえず考えずに、まずは仕事を、とがんばる女性。社会も親も教師たちも、ある時点までは、そんな彼女たちのがんばりを応援する。
ところが、ある年齢に達すると、まわりの反応が変わってくる。
「本当に子どもがいなくて、いいわけ?」
「やっぱり女は、仕事よりも子どもよ」
「子どものいない老後は、いくら成功していてもむなしいよ」
「あなたのような人が増えるから、少子化が進むわけだよね」
そして女性たちは傷つく。
これがノンママ女性たちへのハラスメント、「ノンママ・ハラスメント」だ。
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