
フルフラット型シート
足元の立体交差なども採用
「スペースに限りがある場合であっても、質の高い空間を実現したいというのが長年のテーマでした。企画に1年、シートメーカーとの共同開発に2年、計3年の時間をかけることで、それが実現しました」と、JALの商品・サービス企画本部 開発部 空港サービス・客室仕様グループ アシスタントマネジャーの西垣淳太氏は振り返る。
JALではこれまでも「ひとクラス上の最高品質」を目指して、「JAL SUITE」、「JAL SKY SUITE」、などを投入してきた。ただし、これまでは長距離国際線が中心だった。「JAL SKY SUITE Ⅲ」は、同シリーズの最新型で、定評ある快適性を中距離国際線でも実現したものだ。
「JAL SKY SUITE Ⅲ」は、JALが11機保有する国際線ボーイング777ー200ER型機向けの仕様である。ビジネスクラスでは、窓側左右各1席と中央2席の1ー2ー1席配列で、計42席を設置。全席が通路アクセス、フルフラットベッドとなっている。
ゆとりの足元スペースを確保した、くつろぎの個の空間でビジネストラベルはさらに快適になる(写真上)中央席では、ベッドポジション時に足元を上下にクロスさせる工夫で、奥まで広い空間を実現(写真下)
座席は斜めに配置されていて、特に中央の2席に大きな特色がある。海外の航空会社でも斜め配列のシートを導入している例はある。ただし、ベッドポジションにすると足元が狭くなるという課題があった。「JAL SKY SUITE Ⅲ」ではこれを解決するために、ベッドポジションではそれぞれのシートが上下に移動し、足元が立体交差するようになっている。このため、奥まで広いスペースを確保できるのだ。もちろん、それぞれの足元は壁で仕切られており、隣の席の人と足がぶつかるようなこともない。
大型の専用収納スペースのほか
ビジネスニーズに応える機能が豊富に
「開発にあたって、チームのスタッフは、シートメーカーを何度も訪問し、議論を重ねてきました。とりあえずフルフラットになれば良いというわけでなく、実際に快適に休めるかどうか確かめるために、私も、開発中のシートに一晩寝て調査を行ったこともあります」と西垣氏は語る。
その言葉どおり「JAL SKY SUITE Ⅲ」では、座り心地はもちろん、ビジネスパーソンのニーズに応えるきめ細かな工夫を随所に見ることができる。
たとえば大型の専用収納スペース。ヘッドホンや飲料のペットボトルなどを手軽に収納できる。可動式アームレストの内側にも小物入れがあり、スマートフォンなど身の回りのものを入れておくことができる。ベッドで休むときにも、身の回りがすっきりするだろう。
大型ダイニングテーブルはノートパソコンなどを載せても余裕がある広さだ。ユニバーサルACコンセント、USBポート、ヘッドホン端子、4段階に調節可能なLEDライトなども装備。また、無線LANによる機内インターネット接続サービス(有料)も提供される。まさにオフィスにいるのと同様の環境が、機内で実現するわけだ。
注目すべきは、中央2席の間にある引き出し式のパーティションだ。プライバシーを確保するとともに、同行する上司・部下、同僚などとのコミュニケーションを図ることもできる。このほか、タッチパネル式の17インチ大型モニターを備えており、仕事の合間に多彩なエンターテインメント・プログラムを楽しむこともできる。
「空の上のレストラン」で
至福の味を堪能できる
「JAL SKY SUITE Ⅲ」は、6月18日に就航した羽田ーバンコク線を皮切りに、8月に羽田ーシンガポール線、2017年から、羽田ーホノルル線、関西ーホノルル線、中部ーホノルル線、成田ーホノルル線などに順次投入を予定している。東南アジアへのビジネス需要に応えるとともに、家族や友人などとの観光旅行でも支持されそうだ。特に中央2席は、夫婦やカップルでの利用にも便利だろう。
またJALでは「空の上のレストラン」をコンセプトに、有名シェフとのコラボレーションによる、特別メニューを提供しており、「JAL SKY SUITE Ⅲ」でも、従来の機内食の枠を超えた食事を楽しむことができる。
たとえば、名だたる名店で修行を重ね、2010年に「くろぎ」のオーナーシェフとなった黒木純シェフとのコラボレーションメニュー(和食)も提供される。黒木シェフ監修メニューの提供路線では、和食器も新たに全面リニューアルしたというから念が入っている。
「『JAL SKY SUITE Ⅲ』の開発にあたっては、より高い品質にこだわり、前例のないことにも積極的に挑戦し、形にしました。これからも、一人でも多くのお客様に、より快適に飛行機をご利用いただけるよう、新たな商品、サービスの導入にチャレンジし続けます」と西垣氏は力を込める。
空の旅が快適であれば、現地に着いてからのビジネスの質も高まるだろう。まずは、次の出張から「JAL SKY SUITE Ⅲ」を選びたいところだ。
※就航路線・就航日・便名等、詳細についてはJALホームページをご参照ください