普通の40代が密かにハマる今どき別荘事情
価格下落やリノベーションで身近に

「持つ」ことよりも「どう使う」か、別荘へのニーズが変化
そもそも別荘が高嶺の花と言われたひとつのピークは昭和50年~60年ごろ。バブル景気の最中、多くのリゾート地が開発され、軽井沢や箱根、熱海では高額物件も登録抽選になるほど需要があった時代である。その後、バブル崩壊、リーマンショックの波にもまれてリゾート開発は激減。景気の低迷とともにリゾート物件の取引も減少。バブル期に建てられた別荘やリゾートマンションは築年数が古くなり、売却価格が下がっている。
この流れが変わるきっかけとなったのが東日本大震災である。原発事故による電力不足の影響もあり、都会以外に家をもう一軒持つという考え方が生まれた。そこで再び、リゾート地が注目を集めるようになる。リゾート地には保養所が多いように風光明媚(めいび)、海や山が近く自然が豊か、夏涼しい、温泉があるなど、もともと都会人が憧れる立地である。しかも中古別荘は価格が下がっているから、セカンドハウスを求めるには好機到来といったところ。ここ数年、シニア層を中心に中古物件の取引はコンスタントに続いて今に至っている。
ここで注目したいのは、さらなる新しい波だ。若い世代の二地域居住というライフスタイル。もっとカジュアルに田舎暮らしをできないかと考える人が出てきた。「別荘族と呼ばれる富裕層は今も存在しています。でも一方で、別荘のような使い方だけどもっとライトに使いたい。ステータスでなく実際に使いたい人が増えてきました。年齢的には40代が主流で、そんな世代のニーズに合う今までにないリゾート物件が出てきています」と語る唐品さん。