副業の王道、「賃貸住宅経営」に潜む落とし穴

いつ爆発するかわからない時限爆弾だ

しかし、それも今は昔です。相続税対策を兼ねて建てたアパートは空室だらけになり、賃貸用物件としての運用を考えて買ったマンションも空室が目立つ有様です。都心の一等地を除けば、空き家率や空室数が増え続けているのです。

アパート暮らしの学生でさえ、好みが大きく変わりました。家賃の安さよりも新築物件を好み、更新時期には引っ越すことも増えました。

学生向けに新築アパートを建てても、借り手で埋まるのは築後3、4年だけという有様です。その上、地主さんにアパート経営を勧める業者が、新築時だけ優先的に借り手を入れるといった手口が横行しています。

さらに少子高齢化によるひずみが追いうちをかけてきます。すでに独居老人の孤独死は日常茶飯事です。事故物件になるとまではいわないにしても、「怖くて、50歳を過ぎている人には貸せないですよ」というのが、アパート経営をしているオーナーさんたちのつぶやきです。若い人は借りない、借りてくれる中高齢者は何があってもおかしくない。そのような時代です。

「アパマン経営って、いつ爆発するか分からない時限爆弾を抱えているようなものですよ」

今は昔となった優雅な時代に、副業でアパマン経営に取り組んできた人たちの恨み節です。

人が必要な副業は、労務管理と固定費に振り回される

先にコインランドリーとの比較で少し触れたクリーニング取次店も、一時期フランチャイズによる展開で急速に伸びたことがあります。それほど大きな店舗を必要とせず、機械などの投資もほとんど必要なく、さらには技術指導をしなくても主婦のパート従業員でこなせる手軽さが魅力だったようです。

ただし一つだけ欠点がありました。利幅が少ないのです。それは、ノウハウがなくても、誰でも小資本で始められる事業に共通する特徴です。一方で、テナント料とパート従業員の人件費が、毎月コンスタントに出ていきます。

立地条件のいい物件は当然家賃も高くて経費倒れとなり、家賃の低い物件はお客さんが少なくて人件費分の固定費が捻出できません。誰でもできる商売は、儲けが少ないので、安い時給でパートを確保するには、ひっきりなしの求人と勤務シフトの調整がオーナーの主な仕事になってきます。

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