「イルカ購入禁止」1年、試行錯誤する水族館

繁殖技術は確立できるか

イルカの繁殖技術の早期確立を目指す(写真:i-sia / PIXTA)

【論説】水槽から一斉に跳び上がったり輪をくぐったり、坂井市の越前松島水族館で連日華麗なショーを見せてくれるイルカたち。イルカは各地の水族館などで飼育されているが、越前松島水族館には「特別」なイルカがいる。国内では難しい繁殖に成功して育っている19歳の雄ラボと、3歳の雌リラの2頭だ。和歌山県太地(たいじ)町の追い込み漁によるイルカの購入禁止から1年。全国で捕獲イルカの取得が困難になる中、ラボとリラは水族館関係者の希望を背負い、きょうも元気にジャンプしている。

世界的に貴重

越前松島水族館ではバンドウイルカ7頭、カマイルカ3頭を飼育している。バンドウイルカはラボとリラを除く5頭が太地町からやってきた。カマイルカは定置網にかかったものを水産庁の許可を得て育てている。

1996年6月生まれのラボは国内繁殖に成功しただけでなく、世界的に貴重な経験を持つ存在だ。97年1月、ロシアタンカーのナホトカ号重油流出で飼育プールに油が入ったため、神戸市の水族館に搬送し約5カ月間避難させた。生後まだ半年の離乳していないイルカの搬送例は世界でもほとんどなかった。鈴木隆史館長は、「搬送のショックで死ぬかも知れないが、何もしないよりはいい」との覚悟だったという。

ラボの異父妹にあたるリラは2012年12月生まれ。ショーデビューはまだ先だが、母乳を卒業し母親のそばで順調に育っている。

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