デキない人は数字の扱い方がわかっていない

細かく考えすぎるとドツボにはまる

まず、メガネの単価はどのくらいでしょうか。

リーズナブルで若者に支持されるブランドも多数ありますが、高齢化が進んでいる背景を考えると、数万円のメガネにも需要はあると考えられます。たとえば平均単価を1万円だとしましょう。

Tシャツのような消耗品ではないので、誰もが毎年購入することはないはずです。メガネを必要とする人の50%程度が1年間に1本買うか買わないか、といったところではないかと考えてみます。

最後に、メガネを必要としている日本人は何人ほどいるでしょうか。ここでもざっくり人口1.3億人のおよそ半数いると仮定します。

1.3億人×0.5×0.5×1万円=3250億円

さすがに「1兆円」は多すぎるのではないかと疑うことができますね。実際、あるデータソースによれば市場規模は4000億円程度と言われています。

あなたの企画が100万部のベストセラーを狙えない理由

別のケースで考えてみましょう。

たとえばあなたがビジネス書の編集者だとします。100万部売れるベストセラーを狙うとしたら、どんなテーマを企画しますか。たとえば女性営業職のための自己啓発本を企画したとして、そもそも女性の営業職は日本に何名いるでしょうか。

ざっくりですが日本の労働人口を人口のおよそ半数である6000万人、そのうち女性は50%、仮にそのうち営業職は10%程度としましょう。日常的にビジネス書を購入する人が(多く見積もって)10%いたとしても、

6000万人×0.5×0.1×0.1=30万人

どう考えても、この企画で100万部は厳しい。つまり、あなたは「女性営業職のための自己啓発本」は企画してはいけないということになります。
もっと多くの方にとって自分ごとになる、たとえば「おカネ」「対人関係」「コミュニケーション」といったテーマで企画を考えるべきでしょう。

そして、企画会議などで規模感を数字で伝え、ベストセラーの可能性がある企画であることを編集長にもアピールすればよいのです。

このように、デキるビジネスパーソンはコミュニケーションにうまく数字を使っています。換言すれば、彼らはコミュニケーションに使う数字をアタマの中でうまく作っているのです。

(文:深沢 真太郎)

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