「トランプvs.ヒラリー確定」に漂う不穏な空気

まだまだ筋書きのないドラマが待っている

まず、民主党だが、ほぼ負けの確定しているバーニー・サンダース候補が選挙戦を止める気配がない。それどころか、ヒラリー批判をどんどんヒートアップさせる中で、ヒラリーの勢いを止めているのだ。特に5月3日のインディアナ州予備選では、事前の調査ではヒラリー有利だったのを直前にひっくり返して52.5%対47.5%の差で勝利。さらに5月10日のウェストバージニアでは、51.4%対35.8%という大差でヒラリーを圧倒した。

どうしてなのか? 現在、ヒラリー陣営は3つの問題を抱え、これがダメージになっているという見方がある。

ヒラリー陣営が抱える3つの問題

1つは、雇用に関する姿勢だ。衰退の進む石炭産業について、ヒラリーは3月のTV討論で「温暖化対策」のために「閉山を進めて、その代わり同じ人々を再生可能エネルギー産業の場で活躍してもらう」と述べていた。その主張自体は、何も問題はないはずだった。

だが、その中で「我々は閉山を進めて、炭鉱労働の仕事も無くす」とハッキリ言ってしまっていた。CNNのその部分の映像が編集され、拡散されたのが大きなダメージになった。5月10日に負けたウェストバージニアとは、まさにこの石炭産業衰退に苦しんでいる土地柄であり、ヒラリーは富裕層の味方で、衰退産業の雇用には冷淡というイメージが広まったのだ。

2つ目は「ゴールドマン・サックス」問題だ。大手投資銀行である同社の社内研修にヒラリーが呼ばれて、3回連続の講演をしたのだが、その報酬が3回で67万5000ドル、つまり日本円で7000万円近かったというのである。

問題は、この話があまりにも有名になっているということだ。サンダースは「ヒラリーはウォール街と癒着している」というキャンペーンを張っているが、そこに格好の材料を提供した形になってしまった。

3つ目は、私有のメールサーバで公務をしていたという疑惑でFBIの聴取が進行しているという問題だ。ヒラリーの側近であるフーマ・アバディーン女史が聴取されたという報道もあり、ヒラリー本人の聴取も間近と言われている。この問題に関して、ヒラリーは「接続の利便性を優先していただけで、悪意はなかった」という弁解をしているが、問題が解決しない中でジワジワと足を引っ張っている。

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