「痩せない人」が誤解している筋トレの常識

2週間で手軽にできるという幻想は捨てよ

このような話をすると、筋肉がついた分、体が重くなっても、基礎代謝量がアップするから痩せるのではないかという反論が返ってくる。雑誌などには、「筋肉をつけて基礎代謝を上げれば、寝ている間も脂肪を燃焼するから痩せられる」と書かれている。これについてはどうだろうか。

「基礎代謝を上げれば痩せられる」の落とし穴

基礎代謝量とは生体の生命維持のために最小限必要な代謝量のことで、要は1日寝ていてまったく体を動かさなくても消費されるエネルギーのことだ。性別や年齢によって異なるが、日本人の成人男子の場合1日1400キロカロリーぐらいが平均だ。

筋肉が1キロ増えると、だいたい1時間あたり15キロカロリー基礎代謝量がアップする。すなわち1日の消費カロリーが360キロカロリー増えるということだ。1カ月に換算すれば、1万キロカロリー以上。脂肪1キロを燃焼するのに必要なエネルギーは約7000キロカロリーと言われているから、1カ月で1キロ以上の減量ができそうに思える。

しかし、これはあくまで理論上の話だ。

体重を落とすのとはまったく逆です(写真:MM4 / PIXTA)

これまでも述べてきたように、そもそも筋肉をつけるのには長い時間がかかる。筋肉1キロを純粋に増やそうと思ったら、約1年間が必要だと言われている。それもボディビルダーのように体の土台ができた人が実験台になり、運動メニューや栄養管理もばっちりという、厳密にコントロールされた状況でトレーニングを行ったとしての話だ。ふつうの人には、とてもそこまで厳密なトレーニングはできない。

確かに筋肉をつけることによって消費カロリーは増える。実際、私の基礎代謝量はかなり大きくなっているから、ちょっとやそっと食べ過ぎたぐらいでは太らない。日々のトレーニングで消費する分もあるから、食べても太れない、というのが実感だ。

しかし、これも10年以上、毎日トレーニングを続けてきての結果である。ふつうの人が、筋肉をつけて基礎代謝を上げることで痩せようとするのは、はっきり言って非現実的だ。

よく雑誌の特集にある「2週間で筋肉をつけて痩せよう」というような幻想は、もう捨てるべきなのだ。

次ページ食事制限でやせるのもキケンとは聞くが
関連記事
トピックボードAD
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 中原圭介の未来予想図
  • トクを積む習慣
  • インフレが日本を救う
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
採用クライシス<br>就活ルール廃止の衝撃

経団連が就活ルール作りからの撤退を決定。採用日程は今後どうなるのか。中長期的なあり方を議論する間もなく、足元では超売り手市場の下、仁義なき新卒争奪戦が繰り広げられている。採用手法も人気業界も激変する中での各社の取り組みは……。