息子74歳と母98歳、老老介護が生んだ「悲劇」

「母さんごめん、もう無理だ」

超高齢化社会の日本では誰にも起こりうる話かもしれません(写真:Graphs / PIXTA)
「どうしても伝えたい」
裁判所の傍聴席で日々取材する記者が、強く心に残った裁判の模様を綴る、朝日新聞デジタルの連載「きょうも傍聴席にいます」
新聞では報じられないような小さな事件の驚きの背景、秘められた被告の思い――。「泣いた」「他人事ではない」と毎回多くの反響が寄せられる人気連載をまとめた書籍『母さんごめん、もう無理だ~きょうも傍聴席にいます~』が、発売になりました。
記者が見つめた法廷の人間ドラマ29編のなかから3編をお届けする、3回連載の最終回。本書のタイトルともなった裁判です。(文中に登場する人物の名前は仮名、また年齢は公判当時のものです)

「100歳まで頑張る」と話していた母に手をかけた

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

100歳まで頑張る――。そう話していた98歳の母の首に、74歳の息子が手をかけた。老老介護のすえの悲劇。2人だけの暮らしに、何があったのか。6月25日に岐阜地裁であった裁判員裁判。

裁判長「被告人を懲役3年に処する。5年間その刑の執行を猶予する」

10年以上介護してきた母を殺した殺人の罪。無精ひげを生やした魚谷克也被告(74)は、背中を丸め、表情を変えずに判決を聞いた。

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