人工知能「第3の波」、囲碁でも人間に勝った! 自ら学習し、課題の解決を可能にした新技術

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人工知能が3度目のブームを迎えようとしている(写真:Ichiro / PIXTA)
これから5年後にかけて、情報技術はどのように進化していくのか? 新たなビジネスを生み出し、適切なIT投資を行うためには、将来重要となる技術を早期に見極める「目利き力」が欠かせない。
『ITロードマップ 2016年版』を上梓した野村総合研究所(NRI)の古明地正俊氏が、3度目のブームを迎えようとしている人工知能(AI)について展望する。ディープラーニングに代表される機械学習手法の実用化と、それを支える画像やテキストなどのビッグデータの増大が、人と同じように考え、学習する「汎用人工知能」の実現に向けた取り組みを加速させている。

人工知能が囲碁でも人間に勝利した

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2016年3月9日、歴史的な「事件」が起きた。米グーグルが買収したDeepMindが開発した「AlphaGo」が、世界トップレベルのプロ囲碁棋士、イ・セドル九段(韓国)を打ち負かしたのだ。

チェスや将棋ではすでにトッププロと互角以上の実力に達していた人工知能だが、手数が圧倒的に多く複雑な囲碁では、そのレベルに達するのはまだまだ時間がかかると思われていた。しかしグーグルは今年1月27日、「AlphaGo」が欧州チャンピオンのプロ棋士(二段)と対戦して5戦全勝したと発表。3月9日の「トッププロ」との戦いに注目が集まっていた。

なぜ人工知能は、人々の予想を遙かに上回るスピードで進化しているのだろうか。

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