ひどい職場ほど「辞めたくても辞められない」

低い労働条件に甘んじてはいけない

「辞められない」迷路にはまりこんでしまったら、なかなか抜けられません(写真:bee / PIXTA)
求人詐欺に遭って低い労働条件のまま働いている被害者が、なかなか抜け出せない理由とは? 「何かがおかしい」と思い続けながら働き続けているみなさま、今、こんな状態で苦しんでいたら要注意ですよ。

責任感と倫理観ではめ込まれる

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

前回、狙われやすい地方出身者の話や、奨学金返済が足かせになっているという話をしたが、労働者の職場への「配慮」も見逃すことができない。

たとえ詐欺に遭っていても、簡単には仕事を放り出せないのが社会というもの。まじめな若者ほど、そうした社会のルール通りに行動することになる。

〈case〉
 アパレル会社で働く20代女性の事例。持病があったため、体調を考慮して勤務は9時~17時という約束だったが、実際働きはじめると9時半~21時半の勤務体系となっていた。月末日払いの給料は、毎回1週間ほど入金が遅れていた。欠勤や遅刻をすると1万円の罰金、その他店長によるセクハラもひどかった。2ヵ月後、店長に辞めたいと伝えると、「大人の筋としては3ヵ月、3年、5年勤めるのが当たり前だ」と言われ、辞められなかった。

「大人だったら」「社会人だったら」といった倫理観に訴えて、辞めさせないという典型例だ。とくに新卒や若い労働者を相手にすると、会社側はこのような言い方をするケースが少なくない。

自分が辞めると同じ職場の人が困るという現実も、責任感のある若者を悩ませる。

以前、紹介したコンビニ運営会社の事例がまさにそうだ。Cさんの店舗ではアルバイトが集まらず、万年人手不足。Cさんが退職したら、お店が回らなくなるような状況だった。しかし店長がCさんよりもさらに働いており、自分が辞めるとその店長が倒れてしまうことが容易に想像できた。だからこそ、心身ともにボロボロになりながらも、Cさんは簡単には辞めることができなかったのだ。

次ページ「辞めたい気持ちはわかる」と説得されるケースも
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 中学受験のリアル
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
関西電力がはまり込んだ<br>「原発マネー」の底なし沼

社会を揺るがした関電首脳らの金品受領問題。本誌は関係者による内部告発文や関電の内部調査報告書などで、「持ちつ持たれつ」の関係に迫った。実態解明は第三者調査委員会に委ねられるが、原発推進への自傷行為となったのは間違いない。