意外!温暖な九州でも「室温が低い」日本の謎

日本人は「窓の断熱」にあまりに無頓着

また管理組合で窓のリフォームに合意できれば、窓を取り替えることもできる。「修繕積立金を使って全戸の窓を高断熱の窓に変えた例もいくつかあります」と今泉さん。

途上国並みに寒さや暑さに耐える生活を続ける!?

それでも「ウチの地域は滅多に雪は降らないし、そんなに寒くならないから」と思う人もいるかもしれない。しかし外が室内より寒ければそれだけで窓から熱が漏れて、室温は外気並みに下がろうとする。また夏なら、熱い外気が窓から侵入する。

例えば冬の大分県の寝室は9.0度という調査結果がある(下記図)。これが外ならコートが必須の温度だ。対策としては窓から熱が漏れるのを承知の上で暖房を使うか、我慢するか、家の中で厚着をするか、ということになる。

■寝室の温度が低い都道府県上位10県(出典:ウェザーニューズ)
・長野 8.8度
・大分 9.0度
・宮崎 9.4度
・佐賀 9.7度
・滋賀 9.9度
・香川 10.1度
・群馬 10.2度
・広島、茨城、奈良 10.5度
※ウェザーニューズが2014年1月26日〜27日に測定した朝起きたときの寝室の温度で、最も低い室温の上位10県。九州や四国地方がランクインし、北海道は沖縄に次いで2番目に暖かかった。これは寒い地方ゆえに断熱への意識が高い結果だろう

高断熱窓にすれば住んでいる場所を問わず、暖房も冷房も効率がよくなる。光熱費が抑えられ、厚着をする必要も寒さを我慢する必要もなくなる。

また窓ガラスには太陽の熱を積極的に取り入れる日射取得タイプと、熱をさえぎる日射遮蔽タイプがある。例えば冬の暖房より夏の冷房が気になる九州なら日射遮蔽タイプなど、住むエリアや家の向きに合わせて選べるので、効率よく太陽の熱を使うこともできる。

「そもそも日本の省エネ基準は欧米と比べると最低レベル」だと今泉さん。例えばドイツでは熱貫流率1.3以下の窓を使うことが法律で義務づけられているが、日本では法律で義務づけられている窓の性能基準は無く、1999年に定められた次世代省エネ基準では東京の場合、4.65程度で基準をクリアする。

これは国が個人に対して暮らし方まで強制しにくかった、という背景があると思われるが、2020年には改正省エネルギー基準の適合が新築住宅において義務化される予定だ。

「これまでの日本は、途上国なみに暑さ寒さに耐えるような生活をしてきたと言えると思います」と今泉さん。熱貫流率1.0以下という高断熱の窓をいくつもつくれる日本。寒いからと重ね着するのではなく、高断熱の窓に変えることが先進国日本らしい暮らしではないだろうか。

(文:籠島 康弘)

 

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