中国を「虚像」でしか見ていない日本人の盲点

「爆買い」のテレビ取材はなぜ紋切り型なのか

開沼:具体的に、最近のお仕事の中ではどういうのが強い絵でした?

:最近、「爆買い」の取材がすごく多いんですけれども……。例えば爆買いとなると、どういう絵を想像しますか?

開沼:やっぱり家電量販店の箱をいっぱい持っている……。

:はい、そうですね(笑)。まさにそういうのを探して撮るわけですね。家電量販店の前で、炊飯器の箱を5個ぐらい抱えている……。

開沼:炊飯器、そんなにいらないだろって、見る人は思うわけですね(笑)。

ロジック的な思考は重要ではなくなっている

:あれは、親戚中に買うからなんですけれども。そういう人を探して、脚ぐらいからのアングルで、箱だらけで、隣りで人が休憩している絵とかを撮ったり、お店の中だったら、籠にいっぱい同じものを大量に投げ込む姿だったりとか。あと銀座とか、大阪だったら道頓堀の近くとかで、観光バスが道に停めきれないくらい入って混雑している様子とか、観光バスから続々と出てくる様子とか……。

まあそういう絵を押さえれば、今日の取材は成功だというふうになるので、そういうことが大事になってしまっているのが、残念だなと。

これは時代性なのかもしれませんけれども、イメージばかりで認識するから、ロジック的な思考はそこまで重要ではなくなっているんじゃないかと思います。特にネット社会になってから、ロジック的な思考方式を構築することとか、知識のシステムを自分なりに考え出すとか、そういうことはますます重要じゃなくなったと思います。知識なんて全部グーグルの検索欄に入っていて、いつでも答えが出てくるけれども、それらはぜんぶ断片的で、イメージ的なものになってしまった気がします。

みんな、自分がいかに情報を持って広く認識できているのかを自慢し、ツイッターとかフェイスブックを見て、そこにある情報を全世界の意見だというふうに勘違いする人も多いと思います。けれど実際は、ツイッターでフォローする人は、ぜんぶ自分が決めているわけじゃないですか。自分と意見の近い人をチョイスして、タイムラインは自分の望むような情報でできあがってしまっていることが、ほとんどだと思うんです。でもそれが偏っている情報だと認識する人は、少ないんじゃないかなと思います。

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