デキない男は名刺の肩書きにこだわりすぎだ

出口治明氏「人生を算数の視点で考えてみよ」

地位や肩書きにこだわる人に足りない、“算数の視点”とは?(撮影:菊岡 俊子)
旅に出て、歴史に学び、人と話す──。前編では「勉強こそ挫折に対する一番の抵抗力になる」と語ってくれたライフネット生命・出口治明会長。しかしその一方で、日本が国際的に“低学歴”であることをデータで示しながら、「日本の大人は勉強していない」という厳しいご指摘も……。では、どうすればいいのか。その鍵は、「数字・ファクト・ロジック」で考える“算数の視点”にあるようです。

前編:出口治明氏「挫折なんて歴史に山ほどある」

 

──前編で出口さんは、かつての左遷経験を語ってくれました。特に日本の男性は“地位”や“肩書き”にこだわる傾向が強いように感じますが、そういった人でも「知ること」によって挫折を乗り越えられるものなのでしょうか?

確かに日本は肩書き社会なので、地位や肩書きにこだわる人が多いですね。その特徴が名刺です。日本人は会うとまず名刺交換をするし、たとえば定年で会社を辞めた人に会うと、「今はこんな個人名刺で申し訳ありません」と謝られることが多い。つまり「こんな肩書きのない名刺を出してすみません」という、その人なりの気遣いだと思いますが、肩書きというのはあくまで「ファンクション(機能)」に過ぎないのです。

肩書きは「2000時間」で使っている“機能”に過ぎない

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

ファンクションは代替可能なので、たとえば僕には今「ライフネット生命の代表取締役会長兼CEO」という肩書きがついていますが、この機能(肩書き)を代替できる人は正直ほかにもいると思います。でも、この「出口治明」という人間は誰とも代替できません。こう書くと当たり前のように思えますが、でもこの当たり前のことをわかっていない人が案外多いように思います。それをしっかり意識するために必要なのが“算数の視点”なのです。

──算数の視点? それはどういうことですか?

1年間は何時間あるかご存じですか? 答えは1日24時間×365日で「8760時間」です。では、そのうちのどのくらいを仕事に費やしているのかというと、残業を入れてもせいぜい「2000時間」です。肩書きというのは、この2000時間で使っている機能に過ぎません。

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