相鉄直通、東急の真の狙いは「新横浜アクセス」 JR線直通で一段と期待が高まる

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相鉄線で2018年に営業開始した東急直通用の20000系(撮影:杉山慧)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2020年2月号「東急から見た相鉄直通」を再構成した記事を掲載します。

晴れて開業を迎えた「相鉄・JR直通線」の一方、羽沢横浜国大駅から東急東横線の日吉に接続する「相鉄・東急直通線」も、2022年度下期開業に向けて建設が進められている。

相模鉄道西谷から2.1kmの羽沢横浜国大駅を経て東海道貨物線横浜羽沢駅構内まで合計約2.7kmの相鉄・JR直通線に対し、相鉄・東急直通線は約10.0km(羽沢横浜国大―日吉間)の距離があり、途中に新横浜と新綱島の2駅(いずれも現在仮称)が設けられる。

相鉄・JR直通線先行開業のうちは誤解を避けるためまだ使用を控えると聞くが、西谷―新横浜間は相模鉄道が営業主体となる区間として「相鉄新横浜線」、新横浜―日吉間は東急電鉄が営業主体となる区間として「東急新横浜線」の線名が付されている。

工事はすべての駅・トンネルで進行中

開業すれば、相鉄線二俣川から目黒へは現在の所要54分から38分へと16分短縮、新横浜から渋谷へも菊名乗り換えの41分から30分になると見られている。

相鉄・東急直通線の建設は現在、次のような進捗状況。

新横浜駅は開削工法による本体の土木躯体構築が終盤を迎えており、駅内部の階段基礎、駅本体以外では出入口・換気塔の土木躯体の構築を行っている。新綱島駅は開削工法により躯体構築工事を継続中。一方、駅間については、羽沢横浜国大―新横浜間の羽沢トンネル(3515m)は羽沢横浜国大駅側から複線シールドマシンにより掘進中で、すでに5分の4まで掘進している。

新横浜―新綱島間新横浜トンネル(3304m)も新綱島駅から複線シールドマシンで掘進中であり、全延長の4割程度まで進んだ。新綱島―日吉間の綱島トンネル(約1350m。うちシールド区間1065m)は、日吉で東横線の両側に分かれて取り付くため単線シールド工法を採用、予定どおり11月末に新綱島駅側から掘り始めた。

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