小売・流通・サービス業を始めとするBtoC（Business-to-Consumer）業界にとって、舵取りの難しい環境が続いています。4年後に迫る東京五輪開催など消費に関して一見追い風となる傾向がある一方で、人材不足・国内人口の減少・インバウンド需要の頭打ちといったマイナス要因はますます顕著になりつつあります。

「いいモノ・いいサービスなら売れた」「安ければ売れた」そういった時代が終わった今、顧客と直接接する店舗や窓口等の現場は、販売戦略においても競合との差別化を図るうえで、一層重要な役割を担うこととなります。現場の活力やモチベーション、個々の人材の能力が、ブランドイメージや顧客満足のみならず、企業の「強さ」に繋がる時代を迎えているのです。

目先の売上向上・コスト削減を追うだけではなく、時間をかけてでも、人材育成や現場力強化によって企業の競争力を上げ、未来に渡り必要とされる企業となるための経営戦略が求められています。今回は、スピード感ある経営を実践し、現場の人材力の向上に注力されている経営者の方、非正規雇用などの労働政策に関する専門家の方をお招きし、小売・流通・サービス業を始めとするBtoC ビジネスの人材戦略について考察してまいります。