第一印象は見た目が9割、というのがビジネスマンの常識。スーツの着こなしはもちろんのこと、
どんなバッグを手にしているかで、相手への印象も大きく左右されてしまうもの。経験を積み、
役職を手にした者であれば、相応のバッグを手にしておきたい。男の貫禄と知性を控えめに主張し、
使うたびに愛着が増す…そんなバッグが理想的だ。英国紳士を育んだ質実剛健な気性を宿す、
グレンロイヤルのブリーフケースはまさにそれ。堅実かつ誠実な男の内面性を引き立ててくれる。
Photo: Takashi Nishizawa [DOUBLE ONE] Styling: Ko Maeda Composition & Text: Takuro Kawase
AD・渡辺産業/制作・東洋経済企画広告制作チーム
グレーにブルーの格子柄が入る、英国的なグレースーツの着こなし。黒のキャップトゥシューズと合わせたブライドルレザーのブリーフケースが、紳士然とした装いを完成させる。「現代の男性は、自然素材で身仕舞いを正さなければならない。自然素材であるべき理由は人間も自然素材だからだ。(中略)身仕舞いにひとつでも人工素材が加わると、総体をぶち壊しにする」(落合正勝著:男の服装術(PHP研究所)。クラシックなスーツスタイルにナイロンバッグが合わないのは当然なのだ。
ブリーフケース[LIGHT WEIGHT BRIEF CASE]7万1000円/グレンロイヤル、タイ1万9000円・チーフ3900円/ドレイクス、シューズ4万6000円/ジョセフ チーニー(すべてブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)、スーツ16万円・シャツ3万6000円/リングヂャケット(ともにリングヂャケットマイスター 青山店 Tel 03-6418-7855)
※以下すべて税抜き価格。
ビジネスカジュアルが浸透するとともに、トート人気が高まり、最近ではリュック姿のビジネスマンも多く見かけるようになった。若いうちはそれでも構わないが、部下を任されるようになったビジネスマンがいつまでたっても、そうしたカジュアルバッグを手にしているのは褒められたものではない。利便性を追求した2WAYや3WAYデザインも数多く見られるが、そうしたものは結局のところ、帯に短し襷に長しと言わざるを得ない。やはり、ブリーフケースこそ仕事用バッグの王道であり、素材は上質なレザーが望ましい。
大事なクライアントとの打ち合わせで、使い古した黒いナイロン製ブリーフケースを手にしていて、部下が手入れの行き届いたレザーのブリーフケースを持っていたら、気後れしてしまうことだろう。通勤電車やバッグ売り場のほとんどでナイロン製ブリーフが主流であるが、そのほとんどが没個性で安っぽく見えてしまう。上質な生地で仕立てられたスーツを嗜むようになった男であれば、その装いに相応しいバッグを手にすべきである。
また、ファッション的な観点からも、クラシックなスーツスタイルが再評価されていることも見逃せない。細身のシルエットから少しゆとりあるシルエットへ移行しつつあり、素材も英国調のウィンドウペーンやグレンチェックの人気が高まっている。こうしたトレンドに呼応するように、バッグもよりクラシックなデザインが求められている。心地よい緊張感と高揚感を生む正統派スーツに、高級感漂うレザーのブリーフケースがあれば、ビジネスシーンのどんな局面でも臆することはない。
ショルダーストラップの使用によって、スーツのショルダー部がシワだらけに。重い荷物を長時間肩がけしていると、芯地やパッドを傷めてしまう危険も。
オンオフ兼用を謳ったリュックにもなる3WAYバッグも人気だが、決してスーツには合わない。仕事用と休日用、用途によってバッグを使い分けるべきだ。
大判のトートバッグを肩がけという若手をよく見かけるが、欧米でこうしたトートは女性の買い物用バッグと認識されており、仕事用には不向きである。
グレースーツのアクセントとしても、ネイビースーツのワントーンスタイルにも活躍するダークブルー。ブラックに次ぐ汎用性の高さがあり、ちょっとした洒脱さもアピールできる。こちらは前面に新聞や雑誌を入れるのに最適な、あおりポケットを配したモデル。前出のLIGHT WEIGHT BRIEF CASE同様に軽く、薄マチのデザインに。強度が高いブライドルレザーだから自立し、そのたたずまいはモダンかつエレガント。
ブリーフケース[2 HANDLE ZIP CASE]7万6000円/グレンロイヤル(ブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)
近代建築の巨匠であるミース・ファン・デル・ローエが提唱したのが、「レス・イズ・モア(=より少ないことは、より豊かなこと)」という考え方。建築にとどまらず現在のプロダクトデザイン全般にも大きな影響を与えたこの言葉は、単一機能に特化したデザインこそ普遍的で美しいのだとも理解できる。今回推奨するグレンロイヤルのブリーフケースは、ショルダーストラップや小物用ポケットが一切ない、削ぎ落とされたデザインが特徴。まさにブリーフ=書類を持ち運ぶために特化した形状で、艶やかなブライドルレザーが存在感を主張している。
そもそもブライドルとは、馬の頭部にかぶせる羈(おもがい)・手綱(たづな)・轡(くつわ)を総称する言葉で、英国を発祥地とする馬具用の革がブライドルレザーである。革にワックス(主に動物性油脂)を染み込ませることで、しなやかで強靭なレザーとなる。また、使いこむほどに味わいを増し、ワックスを使って磨けば美しい光沢を放つ。1979年にスコットランドで創業したグレンロイヤルは、伝統的なブライドルレザーの革製品を手がける名門。ロイヤルワラント(=英国王室御用達の証)を授かったブランドのOEM生産を長年にわたり手がけてきた実績を誇り、約25名の職人たちの熟練した手作業によって、ひとつひとつの製品が生み出されている。
ブライドルレザーの表面にはブルームと呼ばれる白い粉が吹いている。これはワックスが表面に浮き出たもので、“らしさ”の代名詞。
スコットランド、エア・シャーの工場では、職人たちが伝統的な製法を守り、ハンドメイドを要する数多くの工程を手がける。
ブラウン系は、使い込むほどに風合いを増すことが一目で分かる。深みのあるグラデーションをまとい、深い光沢を放つ。
長く使用していると油分が次第に抜けてくるが、専用ワックスを塗り込み磨き上げれば、しなやかさが復元する。
名刺ケースやペンといった、どんな職種でも使うビジネス小物はもちろん、増え続ける充電ケーブルやバッテリーといったデジタルデバイスもすっきりと収納できるインナーケース。ノートPC用のスペースには緩衝材も入っているので安心。LIGHT WEIGHT BRIEF CASE、2 HANDLE ZIP CASEのどちらにも付属されているのが嬉しい限り。単品での購入も可能。インナーケース[BRIEF ASSIST BAG]7600円/グレンロイヤル(ブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)
そもそもブライドルレザーは一般的なスムースレザーよりも撥水性があるが、さすがに長時間の雨に晒すことは避けたい。そんなときには、ブリーフケースをぴったりと覆うレインカバーを用意しておきたい。パッカブル仕様なので、使わないときは小さく折りたたんでおけるのも便利。外出前に不安定な天候に惑わされることもない。前述の2モデルに対応。こちらは別売りとなる。レインカバー[RAINCOVER] 5600円/グレンロイヤル(ブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)
デジタルガジェットは日々進化・変化しているが、我々が普段手にしているものはあまり変わらない。それは人間の身体性に即した、実用的なデザインだけが生き残っているから。グレンロイヤルのブリーフケースにおいても、このことが当てはまる。そのシンプルで完成されたデザインに手を加えることなく、使いやすさを向上させてくれるのが、付属のインナーケース。A4書類はもちろんのこと、ノートPC、タブレット、名刺入れやステーショナリーを多数のポケットに分けて収納できる。出張で別のバッグを使う場合には、このインナーケースごと移し替えればいい。また、雨の日の外回りやゲリラ豪雨に遭遇しそうなときは、別売りのレインカバーを忍ばせておけば安心だ。
普段ナイロン製ブリーフケースを愛用しているという諸兄は、レザーは重いという先入観があるだろう。しかし、グレンロイヤルのブリーフケースは約700g。一般的なナイロン製ブリーフの多くが800g前後なので、決して重く感じることはない。英国で育まれた質実剛健さはそのままに、現代のニーズや日本の気候にも対応する付属品のおかげで、ナイロン製ブリーフの利便性に慣れてしまった人でも、抵抗なく受け入れられるはず。古色蒼然としたお飾りの名品ではなく、実用できる名品でなければ意味がないのだ。
パンパンに膨れた二つ折り財布より断然エレガントに
マネークリップ[MONEY CLIP WITH COIN POCKET]2万6000円/グレンロイヤル、タイ1万8000円/ドレイクス(ともにブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)、スーツ16万円・シャツ3万6000円/リングヂャケット(ともにリングヂャケットマイスター 青山店 Tel 03-6418-7855)
紙幣も小銭もサッと取り出せるから会計時もスマート!
長財布[ROUND LONG PURSE]4万2000円/グレンロイヤル、タイ1万7000円/ドレイクス(ともにブリティッシュメイド 銀座店 Tel 03-6263-9955)、スーツ16万円/アクアスキュータム、シャツ2万1000円/ダーバン(ともにレナウン プレスポート Tel 03-4521-8190)
使い捨てるようなモノ選びは30代まで。長く愛用でき、使い手とともに経年変化を楽しめるブライドルレザーこそ、紳士を目指す大人にふさわしい。ブリーフケースはもちろん、財布もブライドルレザーがお奨めだ。
一般的なスムースレザーの財布を毎日出し入れしていると、すぐに角は擦れ、汗や汚れなどでシミができてしまう。その点、屈強さと美しい光沢が自慢のブライドルレザーなら安心だ。購入当初は堅すぎると思うかもしれないが、使うたびに手に馴染み、表面の油分が全体に染み込みしなやかになっていく。経年変化による傷や擦れですら愛おしく感じられ、手にする人の実直なパーソナリティを無言のうちに語ってくれるはずだ。いい大人がブランドロゴを主張するのはいただけない。
こちらで紹介するのは、必要最小限のカードと小銭、そして紙幣をコンパクトにまとめられるマネークリップと、多数のカードや領収書までをひとまとめにできるロングウォレットの2種。ジャケットの内ポケットを使っている諸兄ならマネークリップを、普段はカバンの中に財布を入れる諸兄にはロングウォレットを、好みと使い方によって選べる。
薄さを追求しながら、小銭用ポケットとカードポケットを7つ装備し、使い勝手を向上させている。ジャケットの胸ポケットに収納した際も、薄マチなので表に影響しづらい。日本の紙幣にも問題なく対応するサイズ感、無駄のないデザインに。クリップの使い方に慣れてくると手放せなくなる。
ブランドを代表するロングセラーモデル。領収書を入れるのにも便利な札入れポケットを4つ、カードポケットを5つ設けている。小銭入れポケットのジッパーをカーブさせることで、スムーズに開閉でき小銭がすぐに取り出せる。厚みが出てもボタン付きのベルトで調整が可能。
男性特有の趣向のひとつに収集癖が挙げられるが、ことファッションにおいても例外ではない。子供の頃に夢中になったロールプレイングゲームで、主人公のレベルが上がるたびに装備も格上げされていくように、年齢や地位にふさわしい一歩上の服装を手にしたいもの。
鞄と財布をブライドルレザーにして、英国流の質実剛健さを味わったのならば、他の革小物もブライドルレザーで揃えてみてはどうだろう。名刺入れ、IDカードホルダー、メガネケース、ペンケース、手帳カバー、シューホーンまで、豊富なラインナップもグレンロイヤルの大きな魅力。毎日手にするものこそ、飽きずに長く愛用できるシンプルで上質なものがいい。初期投資は高くなるとしても、結果的にそれ以上の満足をもたらしてくれるから。