ビジネス・コミュニケーション変革フォーラム
スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスの普及により、ビジネス・コミュニケーションのあり方はどう変容していくのか―。今、多くの企業やビジネスパーソンが強い関心を寄せるテーマのフォーラムが、2012年12月4日の東京にはじまり、大阪、名古屋、福岡の4会場で行われた。スマートデバイスが生み出す次世代コミュニケーションという視点からの講演やスマートデバイス導入のポイント、さらにワークスタイルの変革を実現する新しいサービス等々、多彩な内容で行われたこのフォーラムの模様をダイジェスト版でお伝えする。
基調講演 新しい組織パラダイムの登場
株式会社
ブルームコンセプト
代表取締役
小山 龍介 氏
フォーラムは、基調講演、講演Ⅰ、講演Ⅱが各会場共通、事例講演のみ会場ごとにスピーカーも内容も変わる構成で行われた。
ブルームコンセプトの小山龍介代表取締役による基調講演「価値創造の次世代コミュニケーション〜スマートデバイスが生み出す未来の組織」は示唆に富むものとなった。
小山氏はまず「型を身に付けなければ、型破りなことはできない」と指摘。さらに時間軸と逆の流れで未来を見ていく「バックキャスト」という概念を紹介し、スティーブ・ジョブズは「すべてのコンテンツがデジタル流通する」未来を見据え、そこからバックキャストして商品をつくってきたとした。同様にバックキャストで会社組織のありようを考えると、求心力が低下していく反面、ソーシャルに人々がつながっていくようになり、プロジェクトの魅力などでメンバーのモチベーションを刺激していくと予見。外部と内部を画然と分離せず、外部の人も参画できる「縁側」に似た空間を持つ組織パラダイムが生まれてくると指摘した。
またこれからは、情報が伝わってくると現場の人が即興的に対処し、他の人も即興的にそれをサポートすることが、スマートデバイスによって可能となる。そうしたインプロビゼーション(即興劇)のスキルを高めていくには、自分の思惑と異なる意見や出来事もいったん肯定し受け入れた上で、新たなストーリーを展開していく「イエス・アンド」の姿勢が大事になると語った。
講演1 導入を成功させるポイントは
インフォテリア株式会社
執行役員 営業本部長
油野 達也 氏
次いで登壇したインフォテリア執行役員営業本部長の油野達也氏は「スマートデバイス、企業利用の天国と地獄」という講演を行った。
油野氏は、まず、スマートデバイスの出荷台数の予測や、大企業での調査レポートを題材に挙げ、いかにスマートデバイスが市場に浸透しているかを語る。特に、従業員数1万人以上の大企業のうち、ほぼ75%の企業がスマートデバイスを導入しており、50%は数百台規模で使うという実情をデータで示し、「法人需要は本物」と指摘。
だが一方では、導入の失敗例も多く見られることに触れ、その実例を挙げた。「三つの地獄」という表現を用い、失敗原因を「検討地獄」「構築地獄」「運用地獄」の三つにパターン化し、説明した。
そのうえで、導入に成功するために重要な三つのポイントを解説。
導入も構築もスピードが肝心であり、そのためには割り切りが必要(速度の理)、スマートデバイスはどんどん変わっていくので、導入時に改変計画も考えて、コンテンツを更新していくためのコスト計画も立てる(周期の計)、いくつかのソフトを組み合わせることで価値を上げていく(複合の妙)という三つのポイントを挙げ、「この三つを守ればスマートデバイスを1000台導入しても成功する」と明言し、講演を終えた。
事例講演 東京
エーザイ・ジャパン
事業戦略部
統合戦略室 ICT
マネジメント担当
担当課長
開發 寛 氏
続く事例講演は、東京会場では、エーザイの統合戦略室ICTマネジメント担当の開發寛課長が「iPad導入だけでは何も生まれない─全ては患者様とそのご家族のために」というタイトルで行った。開發氏は、製薬業界ではすでに大手企業のほとんどが1000台規模でスマートデバイスを導入済みと指摘。同社は2010年に80台のiPadをトライアル導入し、現在は1900台のiPadを使っている。目的を明確にし、適切なツールを選択・推進することが成功のカギとした。同社では、MRが医療関係者への最新情報提供に「Handbook」を活用するほか、新規参入のがん領域でiPadを使って患者個々の症例を収集、全関連部署で共有し、治療に対する情報対応をフォローしていると述べた。

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事例講演 大阪
KDDI株式会社
ソリューション関西支社
ソリューション1部 部長
岡本 浩之 氏

大阪会場では、KDDIソリューション関西支社ソリューション1部の岡本浩之部長が事例講演を行った。同社はスマートフォンやタブレット端末を販売しているが、同社自ら販売活動にタブレット端末を活用している。客先にタブレットを持ち込み、営業担当が即答できない質問には、本社から情報をその場で送ってもらうなどで、営業品質が向上したと指摘。やはり「Handbook」を導入し、動画で商品を説明するなどの方法で「見せるカタログ」から「魅せるカタログ」に進化させて成約率の向上に結び付いていることも明かした。

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事例講演 名古屋
名古屋文理大学
情報メディア学部 助教
株式会社GOCCO.
チーフディレクター
佐原 理 氏
名古屋会場では、名古屋文理大学情報メディア学部の佐原理助教による事例講演が行われた。佐原氏はまず情報メディア学部が2011年日本で初めて学部の新入生約100人全員に無償でiPadを配付、教育に活用していることを紹介。「Handbook」などを使いながら、通学時などにも勉強できる「スキマ学習」、ツイッターで質問するなどのコミュニケーション、授業や研究のログを残せるなどの機能を活かし、学生生活の活性化、情報フロンティアの体得、わかりやすい参加型の講義の実現などで成果を上げていると発表した。

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事例講演 福岡
国立大学法人九州大学
情報基盤研究
開発センター・准教授
井上 仁 氏
福岡会場では、九州大学情報基盤研究開発センターの井上仁准教授が同大でのICT利用学習について事例を紹介した。同大では以前から学習管理システムを導入、学内に約1000台のPCを設置し、ICT利用学習のインフラを整備してきた。だが全学で2万人近い学生が在籍する状況では、現在のインフラでは限界があるとし、無線LANや学習管理システムなどを増強するとともに、2013年度の新入生からはPCの必携化を実現することを決定。マルチデバイス対応であることやオフラインでも使えることを評価し「Handbook」も活用し、ICT利用教育を大きく発展させる予定であると表明した。

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講演2 操作性の簡単さに驚嘆
インフォテリア株式会社
営業本部
営業推進部 部長
堀野 史郎 氏
フォーラム最後のスピーカーとなったインフォテリア営業本部営業推進部の堀野史郎部長は、「Handbookのご紹介〜いつでも、どこでも、どのプラットフォームでも、ワークスタイルのイノベーションを実現」と題する講演を行い、同社が提供するスマートデバイス向けクラウドサービスについて解説した。それによると「Handbook」は、PCで作成した文書や画像などのファイルをクラウド上で保管し、タブレットに同期させて持ち運べるサービスで、導入した日から目的に合わせた使い方ができ、「簡単な操作性」「営業力向上・ペーパーレス化・組織力向上などの実現」「オフラインでも使用可能」「iPad、Android、Windows8等マルチデバイスへの対応」などを特徴として挙げた。この後、「Handbook教え隊」という専任の女性インストラクターが登場しデモを行うと、使い方の簡単さに参加者からは驚きの声が漏れた。そして再び堀野氏がマイクを持ち、「Handbook」の利用シーンなどを紹介するとともに、無料トライアルや定期セミナーなど同社の導入支援サービスについて説明し講演を終え、約3時間に及ぶフォーラムは幕を閉じた。
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