「豪華観光列車」料金があまりにも高額なワケ クルーズトレイン料金は「運賃」ではなかった

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海岸沿いを疾走するJR西日本の豪華観光列車「トワイライトエクスプレス瑞風」(写真:HANIHANISTAR / PIXTA)

鉄道は主要交通機関の1つとして、旅客・貨物両面の輸送を担う大動脈としてのインフラ機能を有しているが、観光面でも重要な位置づけを担っている。特に近年は鉄道が注目されていることもあり、鉄道に乗車する行為そのものが目的化する、いわば「鉄道乗車そのものを観光行為とする」という利用が一般的にも認知されるようになっている。

このように、鉄道に乗車する行為を目的とする「本源需要」としての鉄道利用のあり方は、これまでは鉄道ファンなど一部の層のみが味わう楽しみ方であったが、現在はれっきとした観光目的として確立されつつある。また、こうした観光客を目的とした列車である「観光列車」「観光車両」が各地で数多く登場し、人気を博している。

最近は「クルーズトレイン」が大人気

もちろん、これらの観光列車や観光車両には近年登場したものばかりでなく、長い間活躍しているものも多く存在する。新型車両やリニューアルされた車両、レストラン列車やイベント列車、自然を楽しむトロッコ列車やかつて活躍した車両を復活させたSLなどのレトロ列車は各地で運転され、休日を中心に行楽客の人気の的となっている。

中でも現在注目を集めているのが、「クルーズトレイン」と呼ばれる豪華列車である。クルーズトレインとは観光に目的を特化させた周遊型の豪華列車の総称だ。船舶でも数多くの寄港地での観光を楽しみながら船内での豪華な設備を誇るクルーズ船が高付加価値の観光旅行のジャンルとして確立され、日本でも定着している。海外ではヨーロッパで運行されている「オリエント急行」など数多くのクルーズトレインが存在するが、日本では2013年にJR九州で「ななつ星in九州」が運行されたのが最初だ。今年はJR東日本で「トランスイート四季島」、JR西日本で「トワイライトエクスプレス瑞風」が運行を開始し、国内外から申し込みが相次いでいる。

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