安倍首相は小池代表と11月「電撃和解」する? 勝敗が見えた今「注目イベント」は総選挙後に

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衆院選挙後の1つの焦点は11月のイベントにある。そこで安倍首相は小池代表に「貸し」を作るかもしれない(写真:日刊現代/アフロ)

ロシア人も「自公民大勝予想」に安堵?!

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つい先日「日ロ専門家会議」という国際会議のためにモスクワに行ってきた。いやもう昨今の首都圏と同じ、連日の雨でしたな。モスクワを訪れるのはこれが3回目だが、「雪―雪―雨」の3連単。10月のモスクワは紅葉の季節で、ドモジェドボ空港から市内に向かう途中は街路樹が美しいのだが、交通渋滞がひどいのは何とかならんのか。今どき空港からホテルまで2時間かかるというのはいただけませんな。

会議は衆議院選挙公示直後の10月12日、13日に行われたが、ロシアの日本専門家たちは総選挙の行方に興味津々であった。筆者がスピーカーを務めたセッションで、「直近の選挙情勢予測では、産経新聞も朝日新聞も『与党300議席を窺う』とあります」と紹介したところ、思わずロシア側から安堵のため息が漏れた(ような気がした)。

なぜかって? だって安倍晋三首相がこの選挙で下野しちゃったら、ウラジミール・プーチン大統領と積み上げてきた日ロ関係がいきなり吹っ飛んでしまうじゃないですか。ご両人の首脳会談は、9月にウラジオストクで行われた東方経済フォーラムで19回目、来月はベトナムのAPEC首脳会議で20回目が行われる見込み。橋本龍太郎首相とボリス・エリツィン大統領の関係をとっくに超えている。日ロ関係は、両首脳の個人的関係にいささか依存しすぎかもしれない。

しかも安倍=プーチン関係は、昨年12月に山口県で行われた首脳会談でピークを打った感がある。プーチン訪日の直前までは、「北方領土問題で進展があるんじゃないか」てな期待が日本国内に充満していた。ただしどうやら期待過剰であったようで、その後は急速に尻すぼみ状態になっている。

他方、ロシア側には経済面での過剰期待があって、「日本が極東ロシアに大型投資をしてくれる」てな思いが見え隠れする。「サハリンと北海道をつなぐ橋を架けよう」なんて話があるのには驚いた。サハリンなんてあなた、人口49万人の島ですぜ。人口540万人の北海道とつながれば、向こうはいいかもしれないけれども、どうやって採算を取るつもりなんだろう。安倍内閣の「対ロ協力8項目」が、医療・介護とかゴミ処理などの生活重視になっているのは、人口減少問題に直面する日ロ両国にとって正しい方向であると思う。サハリンとの橋なんて、中国の「一帯一路」計画でやってくれませんかねえ。

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