ミシュラン掲載店が集う「食フェス」の実力 1皿1000円の料理はどこまで「本物」なのか

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初日には約1万5000人が訪れたという(写真:ミシュランガイド・フードフェスティバル実行委員会)

フォアグラとトリュフのソーフがかかった厚切りローストビーフのサンドイッチ、サマートリュフをたっぷり載せた出し巻き卵――。「いつかは行ってみたい」と思っていたミシュラン星付き店舗の味が、1皿1000円から気軽に味わえるぜいたくなフェスが登場した。

8月17日から4日間、横浜の赤レンガ倉庫で開かれる「ミシュランガイド・フードフェスティバル」は、日本初となるミシュラン「公式」のフードイベントだ(同様のフェスは4月にシンガポールで開催。日本は2番目となる)。ミシュランガイドに掲載された東京、横浜、川崎・湘南地区のイタリアンやてんぷら、中華、洋食など16店舗が集結。初日には、主催者予想の倍以上となる1万5000人が押し寄せた。

なぜ日本でミシュランフェスを開くのか

「あのミシュランがなぜ日本でフェスを……」と思うかもしれないが、日本は世界屈指の「星大国」だ。星付きで掲載された料理店を都市別にみると、東京が227軒で世界一、これに京都が99軒で続き、ミシュランおひざ元のフランス・パリ(3位、97軒)を上回る。

今年はミシュランガイドが日本で発売されて10年という節目ということもあって、「フェスを開催したいと交渉を持ちかけると、ミシュラン側も『ぜひやってほしい』と快諾してくれた」と、今回のフェスの実行員長を務める北川真也氏は話す。

日本初のミシュランフェスの開催にこぎ着けた北川氏(筆者撮影)

実は北川氏は、さまざまな食フェスを手掛けてきた「食フェスのプロ」。その北川氏が、今回ミシュランに目を付けた理由のひとつは、パンフェスやラーメンフェスなど近年各地で、いろいろな店舗の味が1カ所に集結する食イベントが増える中で、参加者から「1つの素材や料理だけでなく、いろいろな料理を味わってみたい」との声が増えていると感じたからだ。

そこで「食のバリエーションがあるフェスを開きたいと思っていた」という北川氏。とはいえ、いきなりミシュランまで飛躍するとは大胆な発想である。「すしからフレンチまであるミシュランガイドは、フードに携わる者にとってはあこがれ。これをフックにフェスを開けば、これまでありそうでなかった新たな領域を開けると思った」(北川氏)。

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