パリの駅ナカ「星付きシェフ」が続々と出店へ 多忙な人向けに短時間、低価格で高級料理を

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2016年11月にパリ北駅内にオープンした「レトワール・デュ・ノール」 (©Jérôme Léglise/SNCF)

美食の国フランスは、駅ナカの食事もクオリティがケタ違いだ。ミシュランガイド2017年フランス版に名前が載る2人のシェフ(1人が3つ星、もう1人が2つ星)が、パリのターミナル駅内に新たな店を続けて出店した。

これはフランス国鉄(SNCF)が現在進めている、駅の魅力を向上させる戦略の一環だ。駅は単に列車に乗り、また乗り換え時に通過する建物ではない。列車を待つ時間までも優雅に、快適に過ごしてほしいというホスピタリティがその根底にある。

時間、場所にこだわらず、おいしい料理を堪能したい欲求に国境はない。舌の肥えたフランス人たちが集う、パリ駅ナカ・レストランに美食の旅に出た。

パリ北駅に「2つ星」シェフのレストランが開業

2016年11月19日、パリ北駅構内の中央に「レトワール・デュ・ノール」という名のレストランがオープンした。名前を直訳すれば「北星」という意味になる。

2階建て(1階レストラン、2階バー)、総面積500㎡で全180席。1階側面に製パン室を備えたテイクアウト専門のパン屋を併設する。

営業は朝6時から深夜12時まで。パリ北駅は利用客が1日70万人、年間2億人にも上るヨーロッパ最大級の駅だ。フランス国内だけでなく、ロンドンへの「ユーロスター」、ブリュッセルへの「タリス」など国際高速列車も発着する。

そんな多様な国籍、用途の人々を歓迎すべく、SNCFがオーナーシェフとして抜擢したのが、ティエリ・マークス氏。フランスで2010年からテレビ放映が始まった人気料理番組「トップ・シェフ」に5年間出演していた経験もある。フランス人でその名を知らぬ者はいない。

実力も折り紙つきで、パリ1区のマンダリン・オリエンタルホテル内にてレストラン「シュ・ムジュール」を営む。2012年にミシュラン2つ星を獲得し、ディナーのコース料理は2種(180ユーロ約2万3500円)、210ユーロ(約2万7500円)ある。

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