石原氏が小池知事に「恨み節」を繰り返す理由 感情的な対立が続いているのはなぜなのか

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3月20日、豊洲移転問題百条委員会で証言を行う石原慎太郎・元東京都知事(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

「私が(知事時代に)地下水について非常に厳しい基準を設置したことは間違いない。ハードルが高すぎたのかもしれない。しかし小池知事は基準にとらわれずに都民のことをまず第一に考え、豊洲への移転を実行してもらいたい。地下水に問題があるかもしれないが、こんなもの今の技術でもって、濾過してポンプアウトしたらいいのではないか。海に捨てたなら。その地下水で(豊洲市場の)床を掃除したり魚を洗ったり使うわけではない。いったい何の害があるのか」

3月20日に行われた豊洲市場の移転問題を検証する調査特別委員会(百条委員会)で、石原慎太郎元東京都知事は都議会共産党の曽根はじめ委員の質問に対し、高揚した様子でこう答えた。気色ばんでしまったのは、小池百合子東京都知事への批判の意味を含んでいたからだろう。

もともと2人の関係は悪くなかった

昨年7月の都知事選以来、鋭い対立を見せている石原氏と小池知事。その原因は石原氏が自民党東京都連が推薦した増田寛也元総務大臣を応援した時、小池知事を「大年増の厚化粧」と揶揄したこととされている。だが理由はそう単純ではない。

もともと石原氏と小池知事との関係は悪くなかった。石原氏が1968年の参院選に初出馬した際には、小池知事の亡父・勇二郎氏が応援している。よってもう50年の付き合いだ。小池氏が環境大臣時代には都知事だった石原氏が花粉症対策の陳情に訪れ、なごやかに談笑している映像も残っている。

ではなぜ2人は今、これほどまでに対立して見せるのか。

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