大企業さえ知らない「自動ネット広告」の死角 「トンデモサイト」への掲載はブランド毀損だ

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極右系として有名なメディアに、トヨタの広告が出稿されていた。ブランドを毀損するネット広告に、多くの企業が気づいていない

企業にとって広告は自社のPR手段だ。それと同時に、メディアを支援する行為でもある。出稿先のメディアに広告掲載料を支払うことで、言論活動を経済面から支援するからだ。だから論調が合わないなどで支援したくないメディアに対しては、広告を出稿しないという選別を行う。この原則はテレビや新聞・雑誌といったいわゆる「オールドメディア」時代の常識だった。

日本を代表する企業の広告がトンデモサイトに掲載

インターネット広告でも、企業はこの原理を基本的に継続している。ところが今ネット空間では、日本を代表する大手企業の広告が公序良俗に反するサイトに多数掲載されている。これはいったいどういうカラクリなのか?

週刊東洋経済12月18日発売号(12月23日号)の特集は「ネット広告の闇」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

週刊東洋経済編集部は特集『ネット広告の闇』(12月18日発売号)の取材の一環で、ブランド価値を損ないうる問題サイトに、どのような企業の広告が掲載されているかを調べた。

サイトの選定にあたっては、広告価値毀損測定の世界最大手である米インテグラル・アド・サイエンス(IAS)の協力を得た。

サイト全体またはサイト内の一部コンテンツによるブランド毀損リスクが、同社の定める中レベル以上と分類されているサイトのうち、知名度やPV(ページビュー)などの点で代表的といえる以下の4件を選んだ。

① ブライトバート・ニュース・ネットワーク
米国の極右サイトとして有名。トランプ米大統領の前首席戦略官、スティーブン・バノン氏が主宰者。匿名消費者による大規模な出稿停止要請運動が起こり、約3600社が出稿停止中(冒頭写真)
② DC GAZETTE
「保守系の最高のニュースソース」をうたう英文ニュースサイト。2016年の米大統領選で、事実に基づかず、かつ投票行動に影響する報道をした「フェイクニュースサイト」として知られている
③ 国内出版社が運営する女性向けのアダルト系サイト
「女子の素直な“ウラの欲望”に迫った本音情報」という触れ込み。「メンズに『こんなの初めて』と言わしめる叶恭子のセックス」といった記事が並ぶ
④ 国内の巨大ネット掲示板から、主に中国・韓国に関するスレッドを引用したまとめサイト
多くが韓国と中国を批判、あるいは嘲笑する内容で、一般的にヘイトスピーチサイトとされるもの
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