楽天、「今から通信キャリア殴り込み」の勝算 「ポイント経済圏」拡大の起爆剤となるか
3社寡占の業界を“かき回す”存在になれるか。楽天は12月14日、携帯キャリア事業への新規参入を目指すことを発表した。
総務省が新たに割り当てる第4世代携帯電話システム(4G)周波数の取得申請を行い、その割り当てが認められた場合、楽天は移動体通信事業者としての事業を始める。つまり、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く第4の携帯会社になるということだ。
まずは1500万ユーザー獲得を目指す
楽天は通信事業の運営を担う新会社を設立し、2019年中にもサービスを開始する予定だ。まずは1500万人以上のユーザー獲得を目指すという。大手3社の契約数は2017年9月末時点で、NTTドコモが7536万、KDDIが4966万、ソフトバンク3910万。これらにどこまで迫れるか。
携帯電話基地局の設置などの設備投資を行うため、楽天は銀行借入で資金を調達する。調達残高はサービスを始める2019年までに約2000億円、2025年までに最大6000億円となる見通しだ。
楽天にとって通信キャリア事業は、まさにのどから手が出るほど欲しかったパーツといえるだろう。同社がこれまで構築してきた「楽天経済圏」を、さらに盤石なものにする武器となり得るからだ。
楽天のビジネスモデルは今、大きな変革期にある。「これまでは楽天市場を中心にしたマーケット(EC=ネット通販)ビジネスの会社だったが、これからは会員情報を中心に据えたデータビジネスの会社になる」。11月に行われた決算説明会で、三木谷浩史会長兼社長はそう力強く語っている。
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