乃木坂46、女性アイドルの頂点に立った必然

あのAKB48とどう差別化し、のしあがったか

その後もずっと運営スタッフは乃木坂46とAKB48の違いを際立たせることに腐心した。

初期から乃木坂46について秋元氏に言われ続けたのは、「AKB48と同じことはやってはダメ」ということで、これが常にスタッフの頭の中にあり、発想の原点だったという。スタッフにハッパをかける分、秋元氏もなおのこと、AKB48とは違った作品を作らなければならないと自身に課している。「作品を見てもらえればわかるとおり、(両者は)まったく別の世界観になっていると思います」(今野氏)。

「コンセプトワークを含め、1年近くも秋元先生とコミュニケーションを続ける中、だんだんと”文化系”のようなイメージがスタッフの頭にたまっていった。だから乃木坂46をつくるにあたって、文化系女子的な色合いを強めていくことは意識しました。オーディションに合格した子たちも自然とそういう雰囲気を持った子が選ばれたのだと思います」(同)。

乃木坂46の看板メンバーである3人。左から西野七瀬、橋本奈々未、白石麻衣。選りすぐりの美貌を集めた(ソニーミュージック提供)

看板メンバーたちがファッション雑誌の専属モデルを務め、女性からの支持が高いのも乃木坂46の特徴だ。白石麻衣の『Ray』(主婦の友社)を皮切りに、西野七瀬が『non‐no』(集英社)、橋本奈々未と松村沙友理が『CanCam』(小学館)、齋藤飛鳥が『sweet』(宝島社)、北野日奈子の『Zipper』(祥伝社)と続く。

全国にスタッフを常駐、美貌を集める

前述したとおり、美貌で知られる若手女優たちのCDデビューを担当してきた今野氏は、ビジュアルには異常にこだわると自認する一方、粒ぞろいのメンバーを獲得できた背景には、ソニーミュージック特有の会社組織の力があったことを明かす。

「ソニーミュージックは昔から新人発掘に力を入れていて、『SDグループ』という新人発掘・育成の専門部署がある。全国に40~50人ものスタッフを常駐させていて毎年、何かしらのオーディションをやっています。乃木坂の場合もそこを動かせた強みがあったかもしれません」(同)。

旧CBSソニー時代の1978年に発足したSDグループは、古くは松田聖子や尾崎豊、最近では西野カナに至るまで、200組以上のアーティストを音楽ビジネスの世界に送り出した。これが現在のソニーミュージックグループの隆盛を築いた大きな要因とされている。全国津々浦々のネットワークで、「どの地方のどの学校にどんな才能を持った子がいる」といったレベルでの情報を持っていて、オーディションの際は声掛けもするという。

ただ、実際のオーディションでは往々にして、情報網に引っかからなかったノーマークの子がとてつもない魅力を発揮して合格、後に大きく飛躍することも多い。乃木坂46の場合、それがエースの白石麻衣だった。

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