短尺韓流ドラマは、動画の未来を示している 「ドラマフィーバー」が人気化するワケ

拡大
縮小

日本の漫画に似たスタイルの韓国アニメーションにも触発されている。「このような『Webアニメ』を視聴する人が多く、ストーリーやキャラクターに慣れ親しんでいる」とリー氏は語った。「同時に実写版も観ようという流れになっているのだ」。

当初ドラマフィーバーは短尺コンテンツ需要がどのぐらいになるか確信をもてなかった。韓国ドラマや映画に興味をもつ人向けのNetflixになろうとしているが、あらゆるビデオコンテンツに興味を抱くオーディエンス向けのハブも目指している。

短尺コンテンツの収益化は、長尺コンテンツの途中に挿入されるミッドロール広告ほど簡単ではない。ドラマフィーバーにおける長尺コンテンツの場合、1時間当たり5~6回の広告挿入が常だからだ。

ショートフォームの場合は、各エピソードでプレロール広告を表示する。尺が20分に及ぶ場合には、ミッドロール広告を挿入するという。またドラマフィーバーは、広告付きの無料配信と定額制配信を組み合わせた「Hulu(フールー)モデル」を採用している。

しかし、制作リスクも小さい

「1時間のエピソードに5~6回の広告を挿入するなら、理論的には短尺コンテンツの5倍は利益が上がる。ユーザーのコンテンツ消費を促すことで、この代償を埋め合わせなければならない」と、リー氏。

ドラマフィーバーは韓流ドラマ以外のコンテンツを配信しようと、中国や日本のプロデューサー、ディストリビューターなどと協議している。ショートフォームのコンテンツを自社で制作する可能性も否定していない。

「制作が簡単で、コスト面でも効果的だ。ドラマ制作でゼロから冒険するとしたら、恐らく短尺のコンテンツになるだろう」。

Sahil Patel(原文 / 訳:南如水)

DIGIDAY[日本版]の関連記事
75万人の有料会員を「和製アニメ」で獲得した米メディア:7カ国語展開で世界戦略も
黒船「Netflix」は、日本のテレビ業界に維新をもたらすか? 〜来訪後の余波を検証
アメリカの「テレビ業界」に激震が走った、2015年夏 〜業界の寿命を真剣に考えてみた

 

DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT