短尺韓流ドラマは、動画の未来を示している 「ドラマフィーバー」が人気化するワケ

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両作品とも全エピソードが、短いビデオフォーマットで即座に視聴可能になった。週ごとに新しいエピソードが配信される、ほかのドラマフィーバーのTV番組とは対照的だ。

高い視聴完了率を実現

ドラマフィーバーのライセンシング担当ディレクターのティム・リー氏はこう説明する。「全エピソードを1度に配信すれば、ユーザーはマラソンをするように視聴してくれるのではないかと、われわれは仮説を立てた。20本の短いシリーズの方が、20時間ものTVシリーズよりも簡単に夢中になりやすいのは明らかだ」。

2015年9月に『高潔な君(Noble, My Love)』など、このような1エピソードが短いシリーズをリリースしたところ、その仮説が証明された。このシリーズを視聴し始めた人の60%が、すべてを一気に見たと、リー氏は語る。

サービスとしても同年9月に最高の業績を上げた。視聴完了率は、週ごとに同社が配信する『ああ私の幽霊さま(Oh My Ghostess)』(10%)や『ピノキオ(Pinocchio)』(20%)などの人気ドラマよりもずっと高かった。平均して、短尺の視聴完了率は長尺の倍近い、と言えるのだ。

このような成功を背景に、ドラマフィーバーはショートフォームのコンテンツを追加。先述したように、2015年12月には6シリーズを新たにリリースした。

韓国国内では、いままで以上に短尺コンテンツが増えつつある。YouTubeに似たサービスを展開するNaver(ネイバー)のような地元のメディアポータルや、モバイルメッセージアプリのカカオトーク(KakaoTalk)などが制作を行っているという。

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