【産業天気図・情報・通信業】構造変化続く携帯は競争がより熾烈、08年度も「曇り」続く

通信業界は2008年度の前半、後半を通じて「曇り」空が続きそうだ。契約数1億台を超えた携帯電話は、成長期から成熟期に突入している。07年11月に最大手のNTTドコモ<9437>が、これまでタダ同然だった携帯端末料金を消費者に負担させる代わりに、通話料を安くする新料金プランを導入したのは大きな転換点だったが、それ以外にも地殻変動があちこちで起こっている。海外市場に出る体力もなく、国内だけではもはや生き残れないと、携帯端末メーカーでは三洋電機<6764>や三菱電機<6503>のように事業売却や退場するケースが出てきている。携帯普及率が高まり2年契約が一般的となれば、携帯の流通量も抑えられるわけで、携帯販売代理店業界では淘汰が進みつつある。
 その中でNTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9984>の3大携帯電話キャリアは、08年の春商戦では携帯ヘビーユーザーの学生を奪い合っている。ソフトバンクに続き、KDDIとドコモも家族間通話無料を訴求するなど、ユーザーの囲い込みに懸命だ。07年度は3位のソフトバンクが大きく飛躍したが、08年度は3社間競争が一段と激化するのは必至。ただ音声収入が減っても、高速ネット対応の高機能携帯の普及に合わせて、映像コンテンツ配信や検索サービスなどが本格化が見込まれ、データ収入の増加に期待が持てる。販売経費や端末調達コストの削減もあることから、これらが各社の収益を下支えしそうだ。一方、07年3月にモバイルデータ通信で新規参入を果たしたイー・モバイル(イー・アクセス<9427>の持ち分会社)も、3月末から音声サービスを開始する。データ通信を主軸にしつつ”携帯2台目需要”を狙う同社の動向にも注目が集まっている。 
 固定通信ではNTT<9432>が3月末から次世代ネットワーク(NGN)を活用したサービスを開始する。地域IP網を新しいネットワークに置き換えていき、保守コストを削減したいという同社の長期的狙いが込められているが、現在発表されている顧客サービスそのものには目新しさはあまりなく、サービスメニューの拡充が課題となっている。
【高橋 志津子記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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